研究課題/領域番号 |
20H02797
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宇山 浩 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70203594)
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研究分担者 |
徐 于懿 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10757678)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | バクテリアセルロース / ゲル / 複合材料 / ウェラブルデバイス / バクテリアセルルース / 導電性高分子 / 多糖類 / ポリビニルアルコール / カルボキシメチルセルロース |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではバクテリアセルロース(BC)の特異な層状構造に着目し、層間に機能分子を挿入することで新規な刺激応答性複合材料を創製する。特異なBCの特徴を活かして、刺激応答機能分子を凝集させることなく均一にBCゲル層間に挿入することで、水分、熱、光、電場に応答する一次元的な形状変化、構造異方性の機能を搭載した材料を創出する。また、BCにポリマーを複合化することによる複合ゲルの機械的性質の改善にも取り組む。
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研究実績の概要 |
バクテリアセルロース(BC)ゲルは面方向においては均一なナノサイズのネットワーク構造を有するが、厚み方向にはミクロンサイズの層状構造をもつという異方性を有する。本研究はBCの特異な構造・性質を元に、BCの層間に刺激応答分子を挿入・固定化することにより、外部刺激に応答して一次元的に膨潤・収縮する材料を開発する。今年度はBCのセルロースナノファイバー(CNF)表面を導電性高分子で被覆することで、高含水率かつ高導電性、さらには異方導電性を示すハイドロゲルを開発した。BCを塩化アクリロイルと反応させることでアクリロイル基導入BC (AcBC) ゲルを得た。次にAcBCゲルを4-スチレンスルホン酸ナトリウム水溶液に浸漬し、ラジカル重合することでBCゲルのCNF表面にポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム) (PSS) をグラフト化した (BC-g-PSS)。続いて、BC-g-PSSゲルを3,4-エチレンジオキシチオフェン (EDOT) の水-DMF分散液に浸漬し、酸化重合することで目的の導電性ハイドロゲル (BC-g-PSS/PEDOT) を得た。導電性ハイドロゲルBC-g-PSS/PEDOTの内部構造をSEMで観察した。CNFの直径の増加が認められ、CNF表面がPEDOT/PSS層によって被覆されていることが示唆された。四端子法による導電率測定から、最大で0.3 S/cmの高い導電率を示す一方で、含水率も93%以上保持していることがわかった。CNFをPSSで化学修飾せずにPEDOT/PSSをBCゲル内で合成したところ (BC-PEDOT/PSS)、含水率は保持したが、導電率は大幅に低下した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
時間軸としての進捗は多少の遅れが生じたが、BCゲルのCNF表面を導電性高分子で被覆することで、高含水率、高導電性、高強度を併せ持つハイドロゲル電極を作製した。また、CNFの積層構造を利用した導電率の異方性が発現することを示した。このようにBC複合材料に興味深い性質が見出されたため、本研究は概ね計画通りに進捗していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2年度の計画を繰越制度を活用して予定通りに研究を実施できたので、3年目も計画通りに実施する予定である。
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