研究課題/領域番号 |
20H02805
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
穂積 篤 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (40357950)
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研究分担者 |
浦田 千尋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (40612180)
佐藤 知哉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (40783874)
宮前 孝行 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (80358134)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | ポリマーブラシ / 表面化学 / 動的ぬれ性 / 滑落性 / 原子移動ラジカル重合法 / 非フッ素化合物 / ゾル-ゲル法 / 重合開始性官能基 / 前進/後退接触角 / ぬれ性 / 重合開始層 / ゾル-ゲル法 / 重合開始基 / グラフト密度 / ゾルーゲル法 / Paint-on法 / ペイントオン法 / 静的/動的接触角 / 撥水性 / ATRP法 / 動的濡れ性 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子鎖を基材に固定した“ポリマーブラシ”は、従来の有機薄膜材料とは異なった新しい構造・物性を有する材料として注目されている。ポリマーブラシを用いた固体の表面改質に関するこれまでの研究では、ポリマー鎖がより高密度(Solid-like)に充填された状態を作ることが耐摩耗性、摺動性、接着性、撥水/撥油性を向上させる上で重要であるとされてきた。本研究では、今までの発想とは真逆に、ポリマーブラシの密度を疎にし、ポリマー鎖が駆動することができる“Liquid-like”な表面状態を作り出すことで液体の滑落性が向上するこれまでにない表面処理技術の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
ポリマーブラシを利用した液体の滑落性を向上させる表面処理の開発に取り組んだ。ゾル-ゲル法により作製した重合開始基濃度を任意に制御した開始層を起点とし、大気中でポリマーブラシの合成が可能な改良型原子移動ラジカル重合法により、各種モノマーを重合させることでグラフト量/密度の異なるポリマーブラシを合成し、得られた表面の水に対する静的/動的ぬれ性について調査した。いずれの原料を用いた場合でも、重合の進行により、得られた表面のぬれ性が大きく変化し、特に,重合開始基濃度を精密に制御することで,得られるポリマーブラシ表面の接触角ヒステリシスを小さくし、滑落性を向上させることが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで,ポリマーブラシを用いた固体の表面改質に関する研究では,ポリマー鎖がより高密度に充填された“Solid-like”な状態を作ることが撥液性を向上させるために重要であるとされてきた。本研究課題では、新たに開発したゾル-ゲル法による重合開始基密度の精密制御技術により,グラフト密度が疎でポリマー鎖が駆動できる“Liquid-like”な表面状態を作り出すことにより水滴の滑落性を向上させることが可能となった。この結果は,従来の高密度化を目指したポリマーブラシの研究とは真逆の発想に基づく新しいものであり,ポリマーブラシを利用したこれまでにない実用的な表面処理技術に繋がることが期待される。
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