研究課題/領域番号 |
20H02809
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岸川 圭希 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (40241939)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 液晶 / 強誘電性 / 柱状液晶相 / 分極 / 記録材料 / スイッチング / ナノテクノロジー / 柱状相 / 電場応答 / 記録素子 / 分極維持 / ナノ構造 |
研究開始時の研究の概要 |
超高密度記録、ナノレベルの分子部品構築、高性能ピエゾ素子の開発を可能にする「軸方向分極-強誘電性柱状液晶(AP-FCLC)相」を実現する方法論を本研究では確立する。具体的には、当研究室で唯一AP-FCLC相を実現しているUrea-(S)-cit(N,N‘-bis(3,4,5-trialkoxyphenyl)urea、alkyl=(S)-citronellyl)と強誘電性を示さないUrea-10(alkyl=n-decyl)の違いを、Urea-(S)-cit分子の細部における構造を部分的に変えていくことにより徹底的に精査し、強誘電性実現に必要な分子構造を特定し、新分子設計に展開する。
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研究成果の概要 |
本研究では、分極維持可能な強誘電性柱状液晶相を発現する化合物N,N'-ビス(3,4,5-トリアルコキシフェニル)ウレア(R = (S)-citronellyl基)について、分極維持メカニズムや必要な分子構造ついて解明を試みた。rac-citronellyl基を有する化合物は、キラルソーティングし同様な分極維持を示すことを見出した。また、(S)-citronellyl基とdecyl基をフェニル基への位置選択的な導入により、3位と5位のcitronellyl基が分極維持に重要な役割を担っていることが判明した。さらに、分岐アルキル鎖の導入により、強誘電性柱状液晶相を低温化し、室温駆動を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、カラム軸方向に分極を有する強誘電性柱状液晶化合物が合成され、カラム毎の分極制御を達成することができ、数ナノ~数百ナノサイズで設計図通りの複雑な3次元形状を有するポリマーを作製する技術に繋がる。従来の方法では、このサイズのポリマーはほとんど球状で、サイズ・形状の厳密な制御はできていない。本研究から発展する方法により、将来、ナノ~サブミクロンレベルの分子機械や電子デバイス等の極めて微小な部品を設計図通りにつくる技術が開発されると考えられる。また、高感度の診断を実現するために必要な、個々のタンパク質やウイルスを選択的に捕捉するような空間を持つ構造体を作製することができるようになる。
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