研究課題/領域番号 |
20H02810
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石井 久夫 千葉大学, 先進科学センター, 教授 (60232237)
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研究分担者 |
田中 有弥 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90780065)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 有機EL素子 / 巨大表面電位 / 自発配向分極 / 回転型ケルビン法 / 間欠蒸着 / 有機発光ダイオード / 回転型ケルビンプローブ / 有機半導体 / 配向分極 / エレクトレット / ケルビン法 / 有機アモルファス膜 / 分子配向 |
研究開始時の研究の概要 |
有機ELディスプレイなどに用いられる電気を流す有機材料を膜にすると,しばしば膜の表と裏に正負の電荷が勝手に発生し,素子の特性を大きく左右することが知られている。しかし,そのような電荷が発生するメカニズムは長年の謎となっていた。この研究では,この現象を精度良くかつ自動で測定できる”回転型ケルビン法装置”を開発し,多くの分子材料に関するデータを蓄積し,AIなども駆使して,発生機構の謎の解明を進める。さらに,膜の作成条件を変えて,電荷量を制御し,素子の特性の向上も試みる。このような技術を用いれば,有機ELディスプレイ・照明,有機太陽電池,振動発電機などの性能を一段と向上させることが可能となる。
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研究成果の概要 |
有機EL素子においては、単に製膜するだけで分子が配向して膜中に電荷の偏りが発生し、素子の特性を大きく左右することが知られているが、その機構はよくわかっていない。本研究では、我々が開発した製膜しながら同時に膜の表面電位を測定できる回転型ケルビン法装置で種々の分子の測定を行い、電荷の偏りに効く要因を探索した。また、製膜を一時停止して待ち時間を導入すると、電荷の偏りが時間とともに変化する現象を見出した。これを使うと、待ち時間を変えることで電荷の偏りが制御しうることも見出した。この手法は、有機EL素子の性能をさらに向上させることに活用できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スマートフォンや大型テレビなどに導入されている有機EL素子を更に長寿命、高効率化するには、素子の膜内に発生する電荷の偏りを制御する必要がる。本研究では、製膜に一時停止プロセスを導入することで、電荷の偏りを増減したり、キャンセルしたり、プラスマイナスを入れ替えるなどの処理ができることを明らかにした。この技術は、すぐにでも応用できるものであり、有機El素子を更に高性能化することで、現在のIT社会に貢献するものである。
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