研究課題/領域番号 |
20H02811
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三木 康嗣 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60422979)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 光音響 / フタロシアニン / 刺激応答性 / 造影剤 / 腫瘍 / イメージング / 近赤外色素 / 光増感 / 光熱変換 / 光増感剤 / セラノスティクス |
研究開始時の研究の概要 |
光照射を用いるがんの可視化と治療は、患者への負担が小さいことから重要な医学的手法として注目されている。本課題では光照射エネルギーを効率良く熱として放出できる近赤外色素材料の開発を目指す。色素の凝集状態を制御することで、効率良く光熱変換できる材料を創製し、光音響撮像法と光熱療法、光免疫療法を利用した腫瘍の可視化と治療に資する光増感剤を開発する。また、腫瘍近傍の特殊な環境を識別し、腫瘍組織でのみ効率良く光増感能を示す機能性材料の創製も目指す。
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研究成果の概要 |
本課題ではフタロシアニンの集積化による効果的に光音響信号を発する高性能光音響造影剤の創製を目指した。特に、腫瘍特異的に構造変化し、光音響信号を発するような工夫を施すことで高コントラストに腫瘍を可視化できる造影剤開発を目指した。研究期間内を通して、腫瘍近傍で過剰発現しているプロテアーゼに応答し光音響信号強度を増大させる造影剤、腫瘍部位に蓄積した造影剤に外部から低侵襲な光照射を行うことで信号強度を増大させる造影剤の開発に成功した。患者への負担が少なく、また高コントラストに腫瘍部位を可視化できる手段を提唱することに成功した。化合物の毒性を精査することで人体への応用に展開できる成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では、腫瘍近傍で過剰発現する酵素や外部からの光照射など刺激に応答し光音響信号を増大させる造影剤の開発に取り組んだ。これまでに報告されている造影剤は常に光音響信号を発するものが多く、体内を循環している間に血管や正常組織に滞留する造影剤から発せられる信号が問題となっていたが、開発した刺激応答性造影剤は次世代機能性造影剤として機能することが確信される。人体に適応できるかどうか確認し早急に実用化することが次の課題であるが、副作用を大きく軽減できる造影剤開発の一歩となる成果である。
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