研究課題/領域番号 |
20H02815
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 奈良先端科学技術大学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
中嶋 琢也 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70379543)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 自己組織化 / ヒドロゲル / 光化学 / 圧力応答 / ゲル / 光反応 / 水素結合 |
研究開始時の研究の概要 |
生体活動における物理的刺激の役割と影響の観点から、硬さや流動性を調節できるゲル材料への開発要求が高まっている。本研究では、圧力ストレスに応答し機械的強度を準不可逆的に強化し、さらに、光照射により高強度状態を固定化、任意に解放可能な自己組織化超分子ヒドロゲルの創成を目的とする。機械的強度を時空間制御可能な細胞培養基質や、アクチュエーター、エネルギーストレージシステムなど多様な潜在用途を有する基盤材料としてのヒドロゲルの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
糖誘導体を基本骨格とした両親媒性化合物によるヒドロゲル形成と圧力効果について評価した。ラクトビオン酸を親水部、疎水部として種々の芳香族化合物を有する両親媒性化合物が安定なヒドロゲルを形成することを見出した。ヒドロゲルへの加圧実験により、ファイバー間のバンドル化が不可逆的に促進され、ゲルの機械強度向上に寄与していることが示唆された。さらに、疎水性芳香族間に電荷移動(CT)相互作用を導入し、更なる加圧効果の向上を試みたところ、加圧に伴うCT相互作用の増大が確認された。加圧による、ファイバー内での分子間力の向上に加え、ファイバー間の水素結合の発達により超分子ゲルの強度向上が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医療用インジェクタブルゲルなどの応用の観点から、架橋性高分子によらない、超分子ヒドロゲルの開発への期待は大きい。特に、細胞親和性を有する糖誘導体からなるヒドロゲルは有望な材料であるが、分子設計以外でその機械強度を制御する手法はほとんどなかった。今回、高圧印加によりゲルファイバーのバンドル化が促進され、さらに、除圧後も保たれることを見出した。本成果は、水素結合性ヒドロゲルへの圧力処理がゲルの機械特性制御への有力なアプローチとなることを支持するものである。今後、よりシンプルな糖誘導体の分子設計と加圧処理を組み合わせることで、汎用性の高い医療用ヒドロゲルの開発が進められることが期待される。
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