研究課題/領域番号 |
20H02816
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2022) 奈良先端科学技術大学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
林 宏暢 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (00736936)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 高次アセン / 基板上合成 / 構造物性相関 / ナノカーボン / グラフェンナノリボン / 前駆体 / 環状分子 / 表面合成 / アセン / 光反応 / ナノ構造体 / ナノカーボン材料 / 前駆体法 |
研究開始時の研究の概要 |
ベンゼン環が直線状に縮合された高次アセンの構造・物性・反応性相関の本質的理解は、所望の物性を有するナノカーボン材料の革新的合成法開拓に結びつくのではないだろうか?本研究では、炭素と水素のみから構成される従来型の単純高次アセンではなく、シンプルな置換基やヘテロ原子を導入した高次アセン誘導体の合成を行い、その構造物性相関に関する実験的知見の獲得を目指す。また、加熱が主流である従来の基板上合成とは異なる、光照射を契機とした基板上合成法を開拓する。加えて、昇華の必要性や細かな構造制御が不得意という制約のない、汎用性に富む新規基板上合成法を確立し、革新的ナノカーボン合成の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
ベンゼン環が直線状に連結した高次アセンは、高い電荷輸送特性や基底状態でのビラジカル性など興味深い物性を示すことに加え、ナノカーボン材料作製の前駆体として有用である。本研究では、不安定な高次アセンを単結晶内部や超高真空下などの嫌気条件下で合成する手法を確立し、高次アセンの構造と電子的物性の相関解明に成功した。さらに、超高真空下での昇華・加熱プロセスを必要としない、簡便なグラフェンナノリボン合成の足がかりを築いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高次アセンの合成法確立と物性相関理解は、次世代デバイスへの応用が期待される有機半導体・ナノカーボン材料を設計する上で有用な知見である。また、高次アセンの基板上合成研究の過程で得られた、高次にpi共役系が拡張された予想外のナノ分子生成の発見は、独自のナノ構造体創成法につながる成果である。また、新しい基板上光反応性の開拓・理解、簡便なプロセスを用いたナノ構造体・ナノカーボン材料構築法の開拓は、従来の手法を用いた研究とは方向性の異なる研究への発展を促すものである。
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