研究課題/領域番号 |
20H02821
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
黒田 義之 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50638640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | アルカリ水電解 / 自己修復 / ナノシート / 酸素発生反応 / ハイブリッド材料 / 再生可能エネルギー / 自己修復触媒 / 金属水酸化物 / 酸素発生触媒 / 層状複水酸化物 / 水電解 / アノード触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
アルカリ水電解は再生可能エネルギーからクリーンな二次エネルギーである水素を製造するための有望な技術だが、電力変動に伴う電極劣化が深刻である。本研究では、触媒活物質の電極への動的吸着機構を解明し、活用することで、電解液に活物質を加えるだけで劣化部を収縮しながら半永久的に使える自己修復触媒の開発に取り組む。ハイブリッド水酸化物ナノシートは様々な物性を制御可能な新材料であり、これを用いて長寿命、高効率な電解システムを構築する。この様な技術の確立により水素製造の低コスト化を実現し、我が国における再生可能エネルギーの導入促進、水素エネルギーの産業競争力の向上に貢献する。
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研究成果の概要 |
再生可能エネルギーを用いたアルカリ水電解による水素製造では、電解の起動停止に伴う電極劣化が課題である。本研究では、ハイブリッド水酸化コバルトナノシート(Co-ns)を用いた自己修復アノード触媒の自己修復機構の解明、高活性化を検討した。Co-nsの修復は電気化学的なプロセスであり、析出速度が電解液に分散させたCo-nsの濃度と電極電位に依存する擬一次反応であることを明らかにした。また、β-FeOOHナノロッドを用いることで、高活性な自己修復触媒を達成した。Co-nsにおける有機基は、Co2+の溶存酸素による酸化を抑制し、長期にわたり修復能を維持するために有効であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国が国策として目指すカーボンニュートラル、2050年のネットゼロエミッション実現に向け、化石燃料から再生可能エネルギーへの一次エネルギー転換が急務である。地域的、時間的な偏在性の高い再生可能エネルギーを有効利用するためには水電解による水素への転換が必要である。本技術は水電解装置の長寿命化、高効率化に寄与するものであり、水素の供給コスト低減に貢献することができる。水素の供給コストを低減し、石油や天然ガスとの価格競争力を持たせることで、水素社会の実現に近づくことが可能である。
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