研究課題/領域番号 |
20H02822
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
坂本 裕俊 京都大学, 高等研究院, 特定講師 (90768649)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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キーワード | MOF / PCP / XAFSイメージング / 吸着 / 多孔性材料 / XAFS / イメージング / 時間分解 / CT / CT-XAFS / 多孔性金属錯体 / ガス吸着 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ガス圧力・温度制御下でのCT-XAFS測定系を構築し、MOFの「金属イオンの配位状態変化」をともなうガス分子の細孔内吸着・拡散・反応過程の3次元可視化を世界初で実現する。これにより、多孔性金属錯体の優れた分子の貯蔵・分離・変換機能の本質的理解を深め、より優れた物質設計の指針を確立し、真に役立つ物質の創成へとつなげる。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまで明らかでなかったMOF結晶1粒子内部のゲスト分子の吸着拡散挙動の解明を目指し、吸着オペランドXAFS-CTと時間分解X線吸収イメージングの計測システムを構築した。前者の手法では、各相対圧平衡状態での結晶中における吸着ゲスト分子の三次元空間分布を可視化した。また、後者の手法では、MOF-74の一次元細孔の方向における拡散を可視化し、その粒子内拡散速度を算出することに成功した。これらの結果は、従来の回折による結晶構造解析や、バルク試料の吸着等温線だけではわからなかった結晶1粒子内の動的・異方的な吸着現象を可視化したものであり、実在結晶における吸着機能の理解につながるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで結晶格子スケール・時間平均にとどまっていたMOF細孔内での反応過程の理解を、メゾスケール・マクロスケール、さらには結晶1粒子全体にまで拡張し、その時間発展の様子を捉えた。メゾ・マクロスケールで時空間分解的に得られる知見を、従来のミクロレベルでの理解と接続した。これにより、MOFのナノ空間機能を我々の現実世界により近いスケールで可視化・理解することで、従来の結晶格子スケールではみられない新現象の発見とその機構解明、それらを利用した機能開発へとつながる。これらを通して、MOFの研究を、従来の「結晶構造の化学」から「実用粒子スケールの材料科学」への展開を促すこと期待できる。
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