研究課題/領域番号 |
20H02826
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
下嶋 敦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90424803)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 自己修復材料 / シロキサン / ナノ構造制御 / 自己修復 / 有機シロキサン / ブロックコポリマー / シリカ / ナノ構造 / 自己組織化 / ポリシロキサン / エラストマー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シロキサン(Si-O-Si)結合の可逆性に着目し、分子スケールからメソスケールの精密な構造制御によって、損傷(クラック等)の高い修復能力と、高い熱的・化学的安定性、優れた機械的特性を兼ねそろえたシリカ系自己修復機能材料を創出すること目的とする。これは、分子設計の容易な有機材料を中心に発展してきた自己修復材料の合成化学を無機材料に拡張する新規かつ独創的な取り組みである。シリカ系材料は窓材、封止材、コーティング等として幅広い分野で利用されているが、微細なクラック形成に由来する特性低下が問題となっている。そのため本研究は学術面のみならず、実用面でも重要である。
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研究成果の概要 |
シロキサン(Si-O-Si)系材料は、透明性、高い耐候性、熱的・化学的安定性などの特徴から、幅広い分野で利用されている無機高分子材料である。シロキサン系材料への自己修復機能の付与は、長寿命化や信頼性向上の観点から重要である。本研究では、クラックの自己修復能を有するラメラ構造の有機シロキサン薄膜の分子レベルの設計により、従来の課題であった硬度や密着性、耐溶剤性の向上を達成した。さらに、カゴ型シロキサン/ゲルモキサン化合物を架橋剤かつ修復剤として用いた全く新しい自己修復機構に基づくシリコーンエラストマーの創出に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、有機シロキサン材料の分子レベルからナノレベルでの精密構造制御により、従来のシロキサン系自己修復材料の課題を克服し、クラック等の損傷の高い修復能力と、高い熱的・化学的安定性、優れた機械的特性を兼ねそろえたシロキサン系自己修復機能材料を創出した。クラックの自己修復能を有するラメラ構造の有機シロキサンに関する成果は、保護コーティングなどとしての実用化に向けて重要な知見を与えるものである。また、カゴ型シロキサンやゲルモキサンを用いた修復機構は新規性が高く、今後の幅広い展開が期待できる。これらの研究成果は学術のみならず社会的にも大きな意義がある。
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