研究課題/領域番号 |
20H02828
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2022) 分子科学研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
小林 玄器 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (30609847)
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研究分担者 |
桑原 彰秀 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主席研究員 (30378799)
野田 泰斗 京都大学, 理学研究科, 助教 (00631384)
竹入 史隆 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (20824080)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | ヒドリドイオン導電体 / 混合導電体 / 固体電解質 / 酸水素化物 / 水素 / 固体イオニクス / ヒドリド導電体 / 無機固体化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,これまでに取り組んできたH-導電性酸水素化物の物質開発から得られた知見を基に,H-導電体の低温作動化に向けた物質設計指針の構築を目指す.具体的には,既存のH-導電体の結晶構造を詳細に調べることで,組成,導電率,結晶構造,イオン導電機構との関連性を明らかにし、H-導電体の導電率向上に資する構造情報を見出す.得られた物質設計指針を新物質探索にフィードバックすることで,H-導電体の物質開発が飛躍的に進展すると期待できる.
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研究成果の概要 |
酸水素化物において、構成元素のサイズと価数を調整することでアニオン配列を制御できることを見いだした。 層状ペロブスカイト型Ba1.75LiH2.7O0.9の超格子構造が温度昇温に伴って逐次的に解消される相転移挙動を明らかにし、相転移を経てヒドリド超イオン導電性が発現することを見いだした。さらに、Baの一部をK、Liの一部をNaに置換することで相転移温度を低温化させることに成功し、高導電性が得られる温度範囲を拡張することに成功した。 混合導電体でヒドリドイオン導電体を挟んだ対称セルにおける水素-ヒドリド間の可逆的な電荷移動抵抗の検出と、電気化学的なTiからTiH2への水素化を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中温域で10 mS/cmを超えるヒドリドイオン導電性を達成したこと、ヒドリドイオン導電体を混合導電体で挟んだ対称セルで、水素ガス-ヒドリドの可逆反応由来の電荷移動抵抗を観測することに成功したことは、ヒドリドのイオン導電現象を利用した電気化学デバイス開発に向けて研究が大きく進展したことを示している。ヒドリドのイオニクス研究は学術的な新規性の高さに留まらず、新たな水素利活用技術の創出にもつながる可能性を秘めており、社会的にも意義のある成果と言える。
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