研究課題/領域番号 |
20H02829
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
吉井 賢資 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主幹 (90354985)
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研究分担者 |
池田 直 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (00222894)
矢板 毅 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究主席 (40370481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 負の磁性 / 酸化物 / ペロブスカイト / スピネル / 誘電体 / エネルギー変換 / 遷移金属酸化物 / 炭素 / 炭化ケイ素 / 希土類 / 誘電性 / マルチフェロイック / クロム酸化物 / 省エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
代表者等らが発見した、負の磁性を示すクロム系ペロブスカイト酸化物等について、新規メモリ材料への応用可能性を探る。対象系では、クロムスピンが整列するネール温度以下の補償温度において、磁化が外部磁場と逆を向くという、熱力学的に不安定な負の磁化を示す。代表者はごく最近この性質を用いることで、通常の外部磁場の反転による磁化反転ではなく、温度変化だけで磁化反転が行えることを示した。本研究はこの特性が実応用に適するかの検証を、新規物質の探索を中心に行う。近年、クロム系は磁気秩序と強誘電性が重畳したマルチフェロイック系であると報告されたことから、負の磁性が電場で簡便に制御できる可能性も検討する。
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研究成果の概要 |
負の磁性を示す酸化物の合成を行った。スピネル系およびペロブスカイト系の幾つかの酸化物系において、応用への発展を示唆する室温近傍における負の磁性を観測した。これと関連し、クロムを含む酸化物に置ける磁気及び圧力熱量効果(マルチ熱量効果)、また、負の磁性を示す電子強誘電体RFe2O4の関連系において電荷グラス状態などの新規物性を報告した。新規磁気メモリ素子作製を目指し、新規グラフェン材料の簡便な合成と応用可能性および、炭化ケイ素を基にした半導体接合系の物性も報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
負の磁性という現象について、室温近傍において補償温度が観測されたことは、磁化の反転によらない新規な磁気メモリ素子への応用可能性を示す。また、関連する物質の探索において、磁場と圧力の両方の印加により冷凍効果を示す物質を発見し、効率的なエネルギー変換の提言を行った。負の磁性を示す電子誘電体RF2O4(R:希土類)の関連系Lu2Fe3O7においてメモリ効果などを見出し磁気メモリへの発展も期待できる。広くメモリ素子の探索を行う中で、最近中注目されているグラフェンや、新規半導体素子として注目されている炭化ケイ素での新規特性を見出し、さらなる応用の可能性を提示した。
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