研究課題/領域番号 |
20H02835
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
野口 祐二 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (60293255)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | 強誘電体 / 光電変換 / 分極 / 欠陥 / ドメイン / 単結晶 / 遷移金属 / 光起電力効果 / 電子 / ホール / 格子欠陥 / 電子材料 |
研究開始時の研究の概要 |
「脱原発」と「再生可能エネルギーへの移行」が世界の潮流となっている.我が国においても,2018年度の概算要求が出そろい,環境省は最重要政策として「環境問題と社会経済課題の同時解決に向けた政策展開」を打ち出した.再生可能エネルギーは,先進国だけでなく世界のあらゆる国々のベンチャー企業が参入する激戦区となるからだ.加えて,地方に散らばる発電の現場では,地元の事業者や共同体組織が運営する気運が高まっている.本研究では,分極性結晶における「欠陥」の光学活性を利用した材料設計により,高電圧出力用太陽電池や次世代超高速光通信を可能とする革新的光電変換機能の開拓を目的とする.
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研究成果の概要 |
強誘電体の光起電力特性向上のための欠陥準位制御指針を確立することを目的として、チタン酸バリウム単結晶を育成し物性評価を行った。単結晶においてFeの混合原子価状態(Fe2+とFe3+が同程度の濃度で存在)を実現することで、単一の価数(Fe2+もしくはFe3+)を持つ状態に比べて、可視光応答が大きく向上することを明らかにした。遷移金属イオンの導入および酸化還元状態制御が強誘電体の光起電力特性向上において有効であるとことを実証した。遷移金属の混合原子価状態に由来するドナー・アクセプター準位を足場とした電子正孔対の生成により光起電力効果を増強する新規な材料設計指針を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遷移金属の混合原子価状態に由来するドナー・アクセプター準位を足場とした電子正孔対の生成により光起電力が増強されることを実証した本研究成果は,既存の半導体太陽電池にも有効な欠陥制御であると考えられる。 本研究で増強した可視光起電力効果は結晶のブロッホ波に由来することから、次世代超高速通信だけでなく光コンピューティングへの展開が拓かれる。また,自発分極を持つ分極性結晶であれば,光電変換機能の開拓は可能である.次世代の候補材料であるZnO、GaNやAlNを対象として光キャリア輸送の学理を追求し,エネルギー問題と地球環境問題を打破した持続可能な社会基盤の構築に貢献することが期待される.
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