研究課題/領域番号 |
20H02840
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
清水 雅裕 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (90780601)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 黒鉛層間化合物 / 多価カチオン電池 / 弱配位性電解液 / ラマン分光解析 / 配位子 / エレクトロクロミック / 多価カチオン / ラマン分光 / 気相合成 / インターカレーション / 電解質 / ステージ構造 / 電解質組成 / 配位構造 / 活性化エネルギー / インタカレーション / アルカリ土類金属 / Mg二次電池 / 層状物質 / 高配向性熱分解黒鉛 / 対極電位 / 配位型電解液 |
研究開始時の研究の概要 |
元素戦略的に有利かつ2電子反応を活かしたマグネシウム二次電池は有望な蓄電池システムである.しかしながら,その負極においては,ほとんどがMg金属の析出-溶解反応を用いたものに限定される.これは,リチウムイオン電池で従来使用されてきた黒鉛の層間にMg2+が挿入されないといった研究報告例に起源がある.応募者は,Mg2+-黒鉛層間化合物の電気化学形成に基づく可逆容量が得られることを最近見い出した.そこで本研究では,これまで見落としていたインターカレーション材料の可能性を改めて検証するとともに,高エネルギー密度化に資するMg二次電池負極材料の創製に挑戦する.
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研究成果の概要 |
資源制約を受けない蓄電池デバイスとして,マグネシウム二次電池が近年注目を集めている.その重量または体積当たり理論容量が大きいことから,負極材料に関する研究はMg金属にほとんど限定される.研究代表者は従来のリチウム二次電池(LIB)に使用されている黒鉛に着目し,その二次電池負極材料としての可能性を検証した.その結果,LIBのようにLiイオンが単体で層間に挿入されるのとは異なり,溶媒をともなう形での挿入が認められた.挿入反応に対する脱離の可逆性については未だ電位ヒステリシスに関する課題があるものの,約200 mA h g-1の可逆容量を得ることに成功し,負極材料としての可能性を見い出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マグネシウム二次電池におけるMg金属負極の析出-溶解(充放電)の可逆性を高めるうえではハロゲン化物を電解液に含む系が多く,蓄電池デバイスの構成要素である集電体などを腐食する懸念がある.本研究で見い出した黒鉛電極の充放電(Mgイオンの共挿入)反応においては,溶媒には選択肢が限られるものの,Mg塩には腐食性を示さない塩化物を必要とせずデバイス構築においては利点があるものと考えられる.また,仮に黒鉛を電極活物質として利用することができれば,従来のLIBの生産プロセスをそのまま踏襲することができ,学術的だけでなく産業的にも意義があるだろう.
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