研究課題/領域番号 |
20H02845
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
本多 謙介 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (60334314)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | アモルファスカーボン / 二酸化炭素還元 / 電気化学触媒 / 光触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
二酸化炭素から燃料を合成する研究開発は、環境と資源・エネルギーの問題を同時に解決できる技術開発である。しかし、CO2からCOへの還元反応は、標準電位が-0.53V vs. NHEと、水素生成の標準電位(0V vs. NHE)より卑電位にあるため、水溶液中でCO2を電気化学的に還元、あるいは光触媒により還元することは困難である。このため、高活性(水素生成とCO2還元の分離)と高耐久性を併せ持つCO2還元電極の具現化には至っていない。本研究では、アモルファスカーボン表面を利用した新規な水素生成過電圧の制御手法により、CO2を高効率に還元可能で、安定性の高い触媒電極とCO2還元光触媒の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、高効率と高耐久性を併せ持つ二酸化炭素還元電極触媒と光触媒を具現化することを目的とした。電極材料には、物理的に安定で水素生成過電圧を高めることが可能なアモルファスカーボンを利用した。水素生成過電圧を高める効果の高い窒素を不純物原子とした、窒素ドープ導電性a-C電極の表面に活性サイトとして働くアミノ基とカルボニル基の導入により、二酸化炭素をギ酸に還元可能なa-C電極触媒を具現化できた。二酸化炭素還元電流効率は95%と高い値を示し、二酸化炭素電流の6時間後の低下率は7%程度と非常に安定である。したがって、高効率と高耐久性を併せ持つ二酸化炭素還元電極触媒の具現化に成功したと結論づけられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電気化学および光電気化学的手法を用いてCO2をギ酸への変換を可能とする本研究の成果は、大気中のCO2濃度を低減可能であり、ギ酸を資源に利用可能なため、環境と資源・エネルギーの問題を同時に解決可能となる技術である。また、CO2からギ酸への還元反応は、標準電位が-0.61Vであり、水素生成反応の標準電位(0V)より卑電位側であるため、水溶液中で水素生成反応の阻害を受けずにCO2を還元することは困難である。本研究のa-Cを用いた水素生成反応の抑制制御と活性サイト賦与によるCO2還元触媒の具現化手法は、高活性と高耐久性を併せ持つCO2還元触媒を具現化する新たな手法であり、新たな触媒の設計指針となる。
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