研究課題
基盤研究(B)
研究代表者は,すでに予備的実験の結果として,第15 族元素のイオンであるSb5+イオンを配位させたC3N4 の合成に成功し,Sb5+イオンを配位させていないC3N4 と比較して約30 倍程度のH2O2 生成活性を発現することを見出している.そこで,この結果を基に,さらに高活性なC3N4 材料の開発に挑むとともに,時間依存密度汎関数理論(TDDFT)を用いた電子・正孔の分布状態の可視化,光音響分光法による光触媒反応場における電子移動過程の分光計測などにより,開発したC3N4 材料の動作機構の解明を行う.また,開発したC3N4 材料とガス拡散ユニットを用いたH2O2 製造システムの構築を行う.
過酸化水素(H2O2)は,衣料用の漂白剤・消毒剤などの身近な用途から,半導体プロセスにおける洗浄などの幅広い用途で利用されてきた.近年では水素にかわる次世代燃料電池の燃料として,また,有機合成用酸化剤としての利用が期待されており、新規な製造技術について検討が進められている.問題点として,H2O2は工業的にはアントラヒドロキノンを触媒とし、多段階・エネルギー多消費型反応で合成されるため、環境負荷が大きいという短所を有している。我々の研究室では、太陽光などの光エネルギーのみを用いて水と酸素から常温常圧で過酸化水素を高効率で製造する環境負荷のほとんどない粉末触媒および光電気化学システム開発を継続して行ってきた。本年度では、グラファイト型窒化炭素(PCN)の窒素原子部位にKイオンを配位させ、さらにAu元素を炭素部位に固定化する光色ばを開発した。その結果、金元素が0価に近い状態存在し、可視光照射下で金元素を励起した結果孤立したホールが生成して量子収率ほぼ100%OHラジカルの生成が確認された。一方、炭素原子に励起電子が高い効率で蓄積された結果、非常に高い電荷分離状態を生み出すことに成功した.その結果、励起状態電荷分布DFT計算によりホールは水を酸化して選択的にOHラジカルを生成し、供給する酸素は励起電子で二電子還元することで過酸化水素を連続的に生反応システムを構築することに成功した。420 nmの光を利用した過酸化水素生成の見かけの量子効率は95%以上%に達し、OHラジカル生成の量子収率も95%に達した.さらにこの材料を薄膜電極に組み込み、光アノードを開発し、ガス拡散電極と複合化することで、可視光照射下で光アノードでは、水の酸化によるH2O2とO2の生成が確認された。さらに、ガス拡散電極ではO2または、N2を連続供給することでH2O2あるいはNH3を連続的に生成させることに成功した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 2022 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (11件) 雑誌論文 (31件) (うち国際共著 29件、 査読あり 31件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (44件) (うち国際学会 13件、 招待講演 11件) 備考 (1件)
Applied Surface Science
巻: 643 ページ: 158667-158667
10.1016/j.apsusc.2023.158667
Science Advances
巻: 10
Surfaces and Interfaces
巻: in press ページ: 104143-104143
10.1016/j.surfin.2024.104143
Journal of Colloid and Interface Science
巻: 658 ページ: 627-638
10.1016/j.jcis.2023.12.105
aterials Letters
巻: 360 ページ: 135925-135929
10.1016/j.matlet.2024.135925
Catalysis Science & Technology
巻: 13 号: 23 ページ: 6799-6811
10.1039/d3cy01098h
Small
巻: 20 号: 13 ページ: 2308743-2308757
10.1002/smll.202308743
Chem
巻: 9 号: 4 ページ: 1017-1035
10.1016/j.chempr.2023.02.011
Materials Letters
巻: 347 ページ: 134552-134555
10.1016/j.matlet.2023.134552
巻: 652 ページ: 1503-1511
10.1016/j.jcis.2023.08.149
Applied Materials Today
巻: 29 ページ: 101651-101662
10.1016/j.apmt.2022.101651
Topics in Catalysis
巻: 65 号: 19-20 ページ: 1634-1647
10.1007/s11244-022-01610-9
巻: 325 ページ: 132801-132804
10.1016/j.matlet.2022.132801
Chemical Research in Chinese Universities
巻: 38 号: 5 ページ: 1207-1218
10.1007/s40242-022-2215-6
Catalysis Science and Technology
巻: 12 号: 16 ページ: 5203-5209
10.1039/d2cy00934j
Applied Catalysis B: Environmental
巻: 307 ページ: 121152-121152
10.1016/j.apcatb.2022.121152
Journal of Environmental Chemical Engineering
巻: 10 号: 3 ページ: 107549-107574
10.1016/j.jece.2022.107549
Applied Catalysis A: General
巻: 634 ページ: 118539-118539
10.1016/j.apcata.2022.118539
Chemosphere
巻: 286 ページ: 131731-131746
10.1016/j.chemosphere.2021.131731
巻: 286 ページ: 119845-119853
10.1016/j.jcat.2021.11.017
Journal of Hazardous Materials
巻: 402 ページ: 123514-123514
10.1016/j.jhazmat.2020.123514
Appl Catal B-Environ
巻: 282 ページ: 119589-119589
10.1016/j.apcatb.2020.119589
Nature Catalysis
巻: 4 号: 5 ページ: 374-384
10.1038/s41929-021-00605-1
120007171023
Electrochimica Acta
巻: 338 ページ: 135805-135818
10.1016/j.electacta.2020.135805
120007187524
ChemCatChem
巻: 12 号: 9 ページ: 2538-2646
10.1002/cctc.201902309
120006976080
The Journal of Physical Chemistry C
巻: 124 号: 35 ページ: 19091-19100
10.1021/acs.jpcc.0c05151
巻: 12 号: 14 ページ: 3783-3792
10.1002/cctc.202000366
巻: 271 ページ: 118917-118929
10.1016/j.apcatb.2020.118917
Communications Materials
巻: 1 号: 1 ページ: 1-10
10.1038/s43246-020-00093-z
Chemical Communications
巻: 56 号: 91 ページ: 14255-14258
10.1039/d0cc06414a
120007166952
ACS Combinatorial Science
巻: 22 号: 12 ページ: 791-795
10.1021/acscombsci.0c00113
120007166970
https://hyokadb02.jimu.kyutech.ac.jp/html/98_ja.html