研究課題/領域番号 |
20H02850
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
須川 晃資 日本大学, 理工学部, 教授 (40580204)
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研究分担者 |
加藤 隆二 日本大学, 工学部, 教授 (60204509)
田原 弘宣 長崎大学, 工学研究科, 助教 (80631407)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 表面プラズモン共鳴 / アップコンバージョン / 三重項対消滅 / 近接場効果 / 遠隔場効果 / 局所熱 / アップコンバージョン発光 / アンチストークスシフト / 光/熱エネルギー変換 / パーセル効果 / スピン軌道相互作用 / 局在型表面プラズモン共鳴 / 金属ナノ粒子 / 項間交差 / スピン反転遷移 / 三重項-三重項対消滅 / 局所電磁場空間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,金属ナノ粒子に特有な光共鳴現象を利用して,アップコンバージョン発光の極限的な増幅技術を確立するものである. アップコンバージョン発光とは,低エネルギー光を高エネルギー光に変換する現象を指し,太陽光デバイスの高性能化,および生体組織の深部イメージングに利用されうる.現在,特に異種分子間のエネルギー移動を利用する三重項対消滅型アップコンバージョン発光に注目が集まっているが,その機能は未だ低い. 本研究では,金属ナノ粒子に特有な光共鳴現象が,分子の光励起特性,分子間エネルギー移動,分子内項間交差に及ぼす影響を炙り出し,これら知見を合目的的に利用し,アップコンバージョン発光の増幅を狙う.
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研究成果の概要 |
ポリマーをマトリックスとする固相三重項対消滅型アップコンバージョン(TTA-UC)薄膜にて,近赤外光で局在型表面プラズモン(LSP)共鳴によって局所熱を生成するプラズモニックナノ材料を挿入したところ,局所熱によって,分子間三重項エネルギー移動効率が著しく改善され,アップコンバージョン(UC)発光の著しい増強を得た. 銀薄膜/TTA-UC薄膜/銀ナノキューブ複合系において,強磁場発現に伴って,オスミウム錯体(増感分子)のスピン反転光学遷移の著しい改善に伴うUC発光の増幅を得た.さらに,強光散乱を伴うプラズモニック構造体とTTA-UC薄膜との複合により,遠隔場効果によるUC発光の増強を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アップコンバージョン発光は,低エネルギー光を高エネルギー光に変換する技術であり,特に本研究で着目している三重項対消滅型アップコンバージョンは,原理上,太陽光でも駆動可能な技術である.それゆえ,当該アップコンバージョン素子を高性能化する技術の開発は,広範な太陽光デバイスの高性能化に直結する.すなわち,環境調和社会の実現に必須となる太陽光有効利用技術に大きく貢献可能な技術であり,本申請で得た三重項対消滅型アップコンバージョンの高性能化アプローチは,特に環境調和社会の実現にとって重要なものとなる.
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