研究課題/領域番号 |
20H02860
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中田 栄司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (70467827)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
|
キーワード | DNAナノ構造体 / 階層的自己組織化 / DNA結合性アダプター / 酵素連続反応場 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAナノ構造体を足場として、酵素を一分子レベルで配置したナノ空間で高効率な酵素連続反応場の設計原理を確立する。これまでに複数種類の酵素が連携する2次元の酵素反応場を構築しており、この反応場では、酵素間での効率的な中間体の受け渡しにより、高効率な連続反応が実現することを明らかとしてきた。これをさらに自己集積化することによってその効率を高めた集積化反応場として展開する。さらには、集積化DNAナノ構造体の周囲をドロップレットによって内包することで、より分散を抑制した反応場とする。これらの研究を通じて、階層的自己組織化により構築された反応場の機能を追求する。
|
研究実績の概要 |
DNAナノ構造体を足場として、酵素を1分子レベルで配置したナノ空間内で高効率な酵素連続反応場の設計原理を確立するのが目的である。これまでに開発してきた独自の手法である「DNA結合性アダプター法」には、複数種類の酵素を配置するためには一定の利用制限があることが明らかであった。これを反応メカニズムを基に再設計することで、複数種類の酵素を配置する際に用いることができるDNA結合性アダプター(モジュール型アダプター)の選択肢の拡充を図り、その獲得に成功した。具体的には、モジュール型アダプターの構成要素であるDNA結合性タンパク質とタグタンパク質のうち、DNA結合性タンパク質の多様性を利用して直交性を発揮するモジュール型アダプターの設計戦略とその実施をおこなった。タグタンパク質の反応性が高すぎるために選択性が発揮できないことが明らかとなったため、あえて反応性を抑制する設計を施し、その結果、期待したような直交性を有するDNA結合性アダプターの拡充に成功した。これは、タグタンパク質に比べると、DNA結合性タンパク質には様々な選択肢があることを考慮すると、より柔軟な選択ができるような方法論へと洗練できたと考えている。 また、反応場が酵素反応自体に及ぼす影響についての評価及び考察もおこなった。また、別途DNAが集積することで形成される液相状態の構築をおこない、その構造的特徴の測定評価をおこなった。ナノ構造体の階層的集積化については進行中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DNA結合性アダプター法のさらなる拡充をおこなうことができた点については、当初の計画以上の成果であり、現在論文投稿準備をおこなっている。一方、階層的自己組織化については、それぞれの断片的な集積化については、進行しているがそれらを階層的に実施する部分については現在進行中であり、当初の計画からの若干の遅れがある。総括的には、おおむね順調に進展していると評価できると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続きDNAナノ構造体の階層的集積化に取り組む。三次元構造体中にDNA結合性アダプターを介して配置した酵素の定量的な評価について困難を伴っているが、透過型電子顕微鏡(TEM)などでの評価をおこないながら達成したい。
|