研究課題/領域番号 |
20H02862
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
口丸 高弘 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10570591)
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研究分担者 |
岩野 智 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 客員研究員 (10734832)
近藤 科江 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (40314182)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 細胞間相互作用 / オミクス解析 / 蛍光タンパク質 / 転移 / 近接細胞蛍光標識 / 1細胞オミクス / 1細胞オミクス解析 / 次元拡張 |
研究開始時の研究の概要 |
生体組織において、細胞間相互作用は組織恒常性の維持や疾患の発生・亢進に決定的な役割を担う。本研究では、実験モデル動物の生体組織において、特定の細胞と近接して相互作用する細胞をその場で蛍光標識し、破砕組織から相互作用パートナーの同定を可能にすると共に、パートナー細胞に相互作用した時間過程情報を記録する新規の近接細胞の蛍光標識技術を開発する。このような技術を用いた細胞間相互作用の時間動態解析と1細胞オミクス解析を組み合わせることで、従来スナップショット解析であった1オミクスアプローチの解析次元を拡張し、生体組織における細胞間相互作用の未解決問題に取り組む。
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研究成果の概要 |
分割型GFPシステムを利用して、ある特定の細胞に近接する細胞をその場で蛍光標識する技術sGRAPHICに、蛍光タイマータンパク質を組み込むことで、細胞間相互作用の時間情報を蛍光タンパク質の発色の変化から推定するシステムの構築を試みた。赤色蛍光タイマータンパク質を用いた新規の分割型蛍光タンパク質の構築には成功したものの、その半減期の短さから、細胞間相互作用の時間情報を効果的に取得するにはさらなる改良が必要であった。また、並行してsGRAPHICシステムをがん転移モデルにおける細胞間相互作用解析に実装し、オミクス解析に基づいて、がん細胞と肝細胞の相互作用を媒介し得る分子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん転移は、がん患者における90%以上の死亡原因となっている。転移の成立には、がん細胞と組織構成細胞間の細胞間相互作用が重要な役割を果たしており、その分子機構を包括的かつ高解像度で理解できれば新しい治療手法の考案につながる。本研究では、転移過程における、がん細胞と組織構成細胞間の細胞間相互作用を解析するために、蛍光タンパク質標識とオミクス解析に基づいた新規技術の開発とその実装に取り組んだ。その一例として、マウスの肝転移モデルの解析を進め、肝転移における新たな治療標的候補分子を明らかにした。
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