研究課題/領域番号 |
20H02884
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 修正 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70370921)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 宿主-根粒菌相互作用 / Cheating根粒菌 / 宿主制裁機構 / 溶菌制御 / G x G 相互作用 / 水平伝搬 / 窒素固定活性 / 共生アイランド水平伝搬 / 植物-根粒菌相互作用 / 共生菌選抜機構 / 細胞内共生 |
研究開始時の研究の概要 |
代表的な相利共生であるマメ科植物と根粒菌の共生において、共生相手の選別は重要な意味を持つ。この選別機構について、細胞内共生に至るまでの過程は詳細な解析が進められてきたが、細胞内共生後の選別機構については未解明の部分が多く残されている。本研究では、先行研究で明らかにした排除レベルの異なる宿主系統と根粒菌株の組み合わせを用いて、大規模な遺伝子発現解析を行うことにより、細胞内共生成立後の根粒菌選別機構を明らかにするとともに、この選別機構が共生後の土壌の根粒菌集団の構造に与える影響を調査する。これにより、マメ科植物による根粒菌の菌叢コントロールについて新しい概念を提示することを目指す。
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研究成果の概要 |
宿主によるcheating根粒菌(感染能力を持つが窒素固定を行わない根粒菌)への制裁機構は、共生関係を維持する上で重要な機構であるが、その実態は不明な点が多い。本研究では、ミヤコグサを用いて単離した制裁機構の変異体とそれを用いて圃場から単離した窒素固定レベルの異なるcheating根粒菌株を用いて宿主制裁機構の解明を行った。その結果、cheating根粒菌に対する制裁が、窒素固定能に応じた根粒菌の溶菌レベルの制御により成立していることを明らかにした。同時に、この制裁機構に関わる遺伝子が被子植物で広く保存されており、正常な根粒菌の共生により発現レベルが低下することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、これまで不明であった根粒特異的な抗菌ペプチドを持たないミヤコグサにおけるcheating根粒菌に対する制裁機構が、マメ科植物に特異的なものではなく、被子植物に広く保存されている防御反応を応用している可能性が示された。今後この遺伝子の機能解析や共生過程で制御機構の解析を進めることにより、細胞内共生の成立起源につながるような知見が得られることが期待される。
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