研究課題/領域番号 |
20H02888
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木羽 隆敏 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20532097)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 植物 / 窒素栄養 / 窒素飢餓 / 情報伝達 / 窒素欠乏 / 分子メカニズム / 窒素欠乏応答 / 窒素飢餓応答 |
研究開始時の研究の概要 |
植物が自然環境でしばしば遭遇する比較的長期間に渡る窒素不足状態「窒素飢餓」をどのように感知・応答するのかについて、その分子メカニズムの理解は進んでいない。本申請研究では、シロイヌナズナにおいて申請者独自の窒素飢餓マーカーを用いた徹底的な新奇因子探索、新奇・既知因子の役割分担と因子間の遺伝的関係の明確化を通して、植物における窒素飢餓感知から出力に至る情報伝達の分子基盤を体系的に理解することを目標とする。また窒素飢餓応答制御メカニズムのイネとエノコログサにおける普遍性と多様性について調べ、窒素飢餓耐性や窒素低要求性作物など、低投入型持続的農業に適した優良品種の開発につながる知見を得ることも目指す。
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研究実績の概要 |
研究実施計画に記載した①窒素飢餓応答制御に関わる新奇因子の探索(変異体スクリーニングとYeast one-hybridスクリーニング)と②新奇・既知因子の役割と因子間の遺伝的関係の明確化によるシステム理解に関して、①を中心に推進した。
①変異体のスクリーニングにおいては、昨年度単離した5系統の恒常的窒素飢餓応答変異体(cnsr)について、戻し交配を行い、原因変異同定のためのゲノムリシークエンス解析の準備を整えた。また、窒素飢餓条件で栽培しているにもかかわらず、窒素飢餓応答レポーターが活性化されない窒素飢餓応答抑圧変異体(snsr)のスクリーニングを行い(10,000系統相当のM2種子)、1次スクリーニングの結果114個体の変異体候補を得た。 Yeast One-hybridスクリーニングでは、NRT2.4プロモーター上の窒素飢餓応答最小領域(NRT2.4minP)と相互作用する転写因子群NIPsを単離した。また、シロイヌナズナ葉肉プロトプラスを用いたトランジェントアッセイにより、NIPsは植物体内においてもNRT2.4minPと相互作用することを確認した。 ②窒素飢餓応答制御に関わるとされる既知因子NIGT1.1-1.4、LBD37-39、CEPDs、NLA、CBL7、BTB1/2について、変異体の入手または作製を完了した。また、NIGT1.1-1.4とLBD37-39については、それぞれの多重変異体を組み合わせた7重変異体を作出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年に所属機関の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における活動指針により研究室での活動が制限され、その遅れを取り戻せていないため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響等により研究の進捗が遅れているため、本研究の中心項目である「①窒素飢餓応答制御に関わる新奇因子の探索」に目処がつくまでは、本項目に注力する。
具体的な推進方策は以下の通りの方針である。 ①cnsrとsnsr変異体の原因遺伝子の同定と、それらの窒素飢餓応答制御における役割を明らかにするための分子生物学的機能解析を行う。Yeast One-hybridスクリーニングで単離したNIPsについても、同様の解析を行う。 ②①の研究が新奇因子の機能解析まで進んだら、新奇因子と既知因子の機能を比較解析することにより、それらの働きの共通点と相違点を明らかにする。また、それらの遺伝的関係を明らかにするため、変異体や過剰発現体を組み合わせて解析することにより、窒素飢餓応答制御システムの理解を深める。
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