研究課題/領域番号 |
20H02898
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
饗場 浩文 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (60211687)
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研究分担者 |
井原 邦夫 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 准教授 (90223297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 寿命 / 酵母 / 老化 / 分裂酵母 / 経時寿命 / 微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
健康長寿社会の構築に向けて、「寿命がいかにして決まるのか?」を解明することは現代生物学が取り組むべき重要課題の1つである。ヒトに代表される高等動物の寿命を理解するためには、その前提として細胞レベルで寿命を理解することが必須であると考え、申請者は微生物の専門家の立場から、分裂酵母をモデルにこの問題に取り組む。とりわけ、新規な寿命制御シグナルの発見と作用機構の解明、ならびに未知の寿命制御因子の同定と機能解析に焦点を絞り、普遍的な細胞寿命制御機構に関する知見を得る。これらの解析を通して寿命の基本的理解を深め、将来的なヒトの寿命創薬に向けた基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
分裂酵母をモデルにした細胞寿命制御機構を解明する目的で、高発現すると寿命を延ばすEclファミリー遺伝子ならびに、寿命が延びる変異株の解析を行った。その結果、新たに以下の成果を得た。 (1)Ecl1の転写誘導シグナルである硫黄枯渇は、細胞寿命を延ばすと同時に、オートファジーを誘導する。さらに硫黄枯渇によるオートファジー誘導は、Eclファミリーに依存して起こることがわかった。さらに硫黄枯渇によるオートファジーはサイクリンCdc13を分解することを示した。 (2)当研究室の先行研究から取得された長寿命変異株、L1を解析した結果、Sphingosine hydroxylaseとしてスフィンゴ脂質の水酸基付加に関わると予想されるSur2に変異が生じていること、この変異でSur2タンパク質の酵素活性が低下することで経時寿命が延長していることを見出した。本研究から、スフィンゴ脂質の組成が変化し、経時寿命が延長するという新規な知見が得られた。 (3)セリ科植物由来の化合物Tschimganineは、分裂酵母の細胞寿命を延ばす活性と細胞生育阻害活性を示すことを見出し、それぞれは異なるターゲットを介して作用することを提唱した。 (4)長寿命変異株の大規模スクリーニングにより取得した長寿命変異株No.3では、ksg1+遺伝子内にナンセンス変異が生じることで経時寿命の延長が起こることが分かった。Ksg1は哺乳類PDK1(Phosphoinositide-dependent protein kinase)のオルソログであり、変異は膜局在に必要とされるPH domain内に生じていた。実際に変異Ksg1タンパク質は、細胞膜局在が損なわれ同時にタンパクの安定性も低下していた。種々の解析の結果、変異Ksg1タンパク質が量的に減少することが、寿命延長の主たる原因であることを示した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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