研究課題/領域番号 |
20H02899
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
邊見 久 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (60302189)
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研究分担者 |
海野 英昭 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (10452872)
伊藤 智和 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (90584970)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | メバロン酸経路 / イソプレノイド / 古細菌 / 大腸菌 |
研究開始時の研究の概要 |
イソプレノイドは自然界最大の天然化合物群であり、その中には膨大な数の有用物質が含まれる。これまでに、微生物による有用イソプレノイドの発酵生産を高効率化する目的で、その前駆体供給経路であるメバロン酸経路を使った代謝工学的な試みがなされてきた。しかし、微生物に対するそれらの代謝経路のエネルギー負荷は大きく、生産量の向上には限界があった。本研究では、最近申請者らが古細菌から見出した、ATP 消費量の少ない「低エネルギー負荷型」メバロン酸経路を大腸菌に導入し、イソプレノイド生産のシャーシ(土台)として広範な目的に利用可能な微生物株の作製を目指すと同時に、同経路を構成する酵素に関する理解を深める。
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研究成果の概要 |
我々が近年見出した低エネルギー消費型代謝経路である古細菌型メバロン酸経路を大腸菌に導入し、有用イソプレノイドの発酵生産に応用することで、より効率的な物質生産が可能となるか検証を進めた。条件次第では既存経路を有する大腸菌株を上回る生産量が達成され、古細菌型メバロン酸経路の応用可能性を示すことができた。さらに、同経路に関連する新奇酵素群の酵素学的解析を進め、多くの知見を得た。特に一部酵素の酸素感受性については同経路の応用に関わる重要な情報であった。その他にも、一部古細菌に特有な変形メバロン酸経路に特異的に含まれる酵素について活性制御に関わる興味深い知見を得ている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古細菌という生物群が広く有する古細菌型の変形メバロン酸経路は、一部異なる酵素によって構成される真核生物型のメバロン酸経路に比べて、生産される物質あたり消費するエネルギーが少なくて済む、低エネルギー消費型代謝経路である。この古細菌型経路を微生物による有用な物質生産に利用することで、以前よりも効率的な生産が可能になると期待される。本研究ではその可能性を検証し、酸素供給などの条件次第では予想通り古細菌型メバロン酸経路による効率的な物質生産が行えることを示した。
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