研究課題/領域番号 |
20H02905
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小山内 崇 明治大学, 農学部, 専任准教授 (60512316)
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研究分担者 |
久堀 徹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (40181094)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 微細藻類 / 発酵 / 水素 / カルボン酸 / 転写 / 光合成 / 低酸素応答 / シアノバクテリア / 転写制御 / 暗嫌気条件 / 遺伝子発現 / クエン酸回路 / 低酸素 / 酵素 / 糖代謝 / ATP / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、低酸素条件下におけるシアノバクテリアの代謝制御機構を明らかにする。申請者は糖異化の制御因子としてRNAポリメラーゼシグマ因子SigEを同定した。低酸素条件下においては、シアノバクテリアの糖異化は大きく促進することがわかっているが、どのように培養液の低酸素の情報が伝達されるかについては未解明である。SigEを過剰発現すると発酵が促進するため、SigEが低酸素条件下で糖異化の制御に働くことは明らかになっているが、どのように酸素の情報がSigEに伝達されるかはわかっていない。本研究では、ATPとタンパク質間相互作用に着目し、低酸素に応答した代謝制御メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
研究は、シアノバクテリアの糖異化制御メカニズムを解明した。主に、低酸素条件下での糖異化遺伝子の転写制御メカニズムに焦点を当てた。シアノバクテリアは複数の嫌気発酵経路を持ち、主に水素、酢酸、乳酸、ジカルボン酸を産生することが知られており、嫌気発酵は、物質生産において重要な培養条件である。本研究では、クエン酸回路の生化学解析や遺伝子発現量改変株の代謝物量解析を通じて、シアノバクテリアの嫌気発酵における多層的な制御機構を明らかにした。さらに、低酸素下での転写制御メカニズムの解析から、cyAbrB2が低酸素シグナルを受容し、SigEの暗嫌気特異的な転写を調節することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、シアノバクテリアにおける糖異化制御メカニズムの解明を行った。シアノバクテリアは光合成による「糖の生産者」でありながらも、嫌気発酵によって糖を有用な化合物に変換する「等の消費者」でもあり、様々な代謝産物を生成する能力を有している。この研究により、シアノバクテリアが嫌気条件下でどのように糖異化を制御するかが明らかになった。さらに、この研究はシアノバクテリアの嫌気発酵における制御メカニズムが多層的であることを示し、生物学的な観点から、微生物の代謝制御が複雑なネットワークによって調節されていることを示した。今後は嫌気発酵を利用したカルボン酸と水素の有用物質生産に展開可能である。
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