研究課題/領域番号 |
20H02907
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
三原 久明 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324693)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | セレン / 細菌 / セレンタンパク質 / 微生物 / 代謝 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
多様な環境下で細菌がどのようにセレンを代謝利用(同化、異化)し、解毒、排出、蓄積するのかを理解し、その生態系での役割や地球上の生物進化における意義を解明することは極めて重要である。本研究では、有用元素であると同時に毒性元素であるセレンを細菌がどのように代謝・解毒・排出・貯蔵するのか?生物進化とセレンの関係はどのようなものか?という問いに答えるための研究を行う。 細菌における多様なセレンの動態とその分子機構の解明を目的とする。細菌におけるセレン代謝に関わる因子を同定し、セレンの動態と生理的意義を総合的に理解する。
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研究成果の概要 |
(1) Geobacter属細菌の新奇セレンタンパク質は硫黄還元酵素であることを明らかにし、そのX線結晶構造を決定した。(2) Cellulomonas属細菌の生育について調べ、亜セレン酸を最終電子受容体として利用していることが示唆された。(3) 大腸菌の細胞外セレンナノ粒子の生成機構について調べ、大腸菌がセレンナノ粒子を形成し、細胞外に放出することを示した。また、細胞膜の重要性も示唆された。(4) 細胞外セレンナノ粒子の栄養学的解析を行った。セレン欠乏状態のラットにセレンナノ粒子を投与し、セレンの生物利用を評価したところ、大腸菌由来のセレンナノ粒子の利用効率が悪いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、セレン取り込みからセレン代謝とセレン耐性、セレン貯蔵までを総合的に捉え、細菌におけるセレン動態の多様性と進化の一端を解明した。これまで不明であったセレン動態の各過程に関わるタンパク質、遺伝子がはじめて明らかになったことにより、本分野の学術的理解を深めることに繋がった。また、セレンナノ粒子の利用効率に関する知見は、セレン補給やセレン関連疾患の管理に役立つ可能性がある。
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