研究課題/領域番号 |
20H02912
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小段 篤史 京都大学, 高等研究院, 特定准教授 (80360543)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | 脂質輸送型ABC蛋白質 / 新生HDL / 善玉コレステロール / 動脈硬化 / 輸送体 / ATP / 分子メカニズム / 膜タンパク質 / 脂質輸送型ABCタンパク質 / 脂質代謝 / アポA-I / ATP加水分解活性 / 脂質輸送 / ABC蛋白質 / 立体構造 / 機能 / 分子機構 / 生体分子 / 膜蛋白質 / 機能ー構造相関 / コレステロール / 脂質 / トランスポーター / 細胞膜 / 構造 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの持つ48種類のABC蛋白質は生理的に重要な役割を負っており、それぞれの遺伝子の異常が様々な疾病(癌の薬剤耐性、糖尿病、動脈硬化、老人性の失明、アルツハイマー病など)と関連している。本研究では、動脈硬化に関わるABCA1及びアルツハイマー病との関連が示唆されるABCA7を対象とし、それぞれの作用機構と生理的役割さらには両者の機能分化機構を、構造生物学、生化学、細胞生物学などの手法を用いて立体構造と機能の両面から解明する。本研究により、脂質恒常性の破綻により惹起される疾病の治療や予防に有用な科学的基礎知見の創出が期待できる。
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研究成果の概要 |
脂質排出型ABC蛋白質ABCA1は、過剰コレステロール排出を担う新生HDL(高密度リポタンパク質)の形成に必須であるが、そのメカニズムは不明であった。代表者は、ABCA1による新生HDL形成現象のin vitro再現系を構築し、脂質ナノディスク中の機能的なABCA1分子を高速AFMにより再現性よく横向きから観察する系を開発した。ABCA1は、ATP依存的に脂質を自身の細胞外ドメインへ輸送・蓄積し、その後アポA-Iが細胞外ドメインから脂質を引き抜くことで新生HDLが形成される現象を可視化することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ABCA1が脂質をATP依存的に自身の細胞外ドメインに輸送・貯蔵し、同時にアポA-Iに対する受容体としての機能も発揮していることを明らかにした。これは、脂質輸送型ABC蛋白質、さらには輸送体の概念に関する従来の常識を覆す、画期的な学術的発見である。この新知見は、HDLを基軸とする動脈硬化症の新しい治療方法の創出に貢献するだけでなく、関連の医学薬学分野にも大きな波及効果をもたらすことがが期待される。
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