研究課題/領域番号 |
20H02913
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関 光 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30392004)
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研究分担者 |
光田 展隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 副研究部門長 (80450667)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | マメ科植物 / トリテルペノイド / サポニン / 生合成 / 転写因子 / 遺伝子発現制御 / ソヤサポニン / ベツリン酸 / グリチルリチン / 生合成制御 / 転写制御因子 / 植物代謝工学 |
研究開始時の研究の概要 |
トリテルペノイドおよびその配糖体(トリテルペノイドサポニン)は多くの生薬の主活性成分を含む多様な植物二次代謝産物の一グループである。トリテルペノイドが有する様々な生理活性については膨大な数の研究がある一方で、トリテルペノイドがどのような植物生理学的意義を有するのかについての直接的な証拠は驚くほど少ない。そこで本研究課題では、多様なトリテルペノイドを産生するマメ科植物に焦点をしぼり、トリテルペノイド生合成制御に関わる転写因子の同定とターゲット遺伝子群のゲノムワイド解析、ならびに、転写因子/生合成酵素遺伝子変異体の表現型解析を通してトリテルペノイドの生理学的意義の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
トリテルペノイドおよびその配糖体であるトリテルペノイドサポニン(以下、まとめてトリテルペノイドと記述)は、多様な生理活性を示す植物二次代謝産物の一グループである。多様なトリテルペノイドを産生するマメ科植物に着目し、その生合成制御機構ならびに生物学的意義の理解を目指して研究を進めた。その結果、ダイズやミヤコグサの二次通気組織に高蓄積する疎水性の高いトリテルペノイドが根への効率的な酸素輸送を保持し適切な根の発達に寄与することが示唆された。また、ミヤコグサおよびダイズから、マメ科植物が共通して産生するソヤサポニンの生合成制御に関わる転写活性化因子の有力な候補としてbHLH型転写因子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、ヒトに対する生理活性については膨大な研究があるものの植物生理学的機能は未だ不明な点が多いトリテルペノイドの生物的機能の一端を明らかにした。本研究により、ダイズの耐湿性向上という目標に対して、ルペオールやベツリン酸といったトリテルペノイドが品種改良のための重要な要因の一つになることが明らかになった。また、大豆の健康機能性、呈味および加工特性に大きく影響する成分であるソヤサポニン類の生合成を制御する転写制御因子の有力な候補を同定したことは、ソヤサポニンの組成や量を最適化したマメ科植物の栽培条件確立やゲノム編集技術を利用した育種を可能にする上で重要な知見を提供するため社会的意義が大きい。
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