研究課題/領域番号 |
20H02918
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
濱野 吉十 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (50372834)
|
研究分担者 |
丸山 千登勢 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (20452120)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
|
キーワード | 細胞膜透過性ペプチド / ポリリジン / CPP / 生体膜透過性ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
酵素、タンパク質、抗体などの生体高分子は、通常、細胞膜を透過しない。これらの細胞膜透過性を改善する実用的な技術を開発できれば、細胞内の分子標的を狙ったバイオ医薬を創製することができる。現在その有効な解決策として、ポリカチオン性の細胞膜透過性ペプチド(CPP)による表層の化学修飾(ポリカチオン修飾)が知られている。そこで本応募研究課題では、我々が独自に開発した「微生物由来CPPを用いた究極的低コストで無毒なポリカチオン修飾法」を活用してタンパク質、酵素、抗体、さらにはDNAを細胞膜透過させる基盤技術を開発する。
|
研究成果の概要 |
細菌は、イソペプチド骨格を特徴とするポリカチオン性ホモポリアミノ酸を産生する。本研究では、代表的なポリカチオン性イソペプチドであるε-ポリ-L-α-リジン(ε-PαL)とε-オリゴ-L-β-リジン(ε-OβL)が、細胞膜を直接貫通して動物細胞に取り込まれ、細胞質全体に拡散することを直接証明した。本研究では、クリッカブルなε-PαLおよびε-OβL誘導体を酵素的に合成し、蛍光色素と結合させて細胞内局在を解析した。興味深いことに、ε-PαLまたはε-OβLを結合させた蛍光タンパク質も細胞内に取り込まれた。さらに興味深いことに、ε-PαLと結合したCreリコンビナーゼと抗体も細胞内に送達した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗体医薬などの高分子医薬は分子標的への特異性が高く、がんやリウマチなど難病とされてきた疾患に対しても優れた治療効果を発揮する。また、近年のバイオテクノロジー技術の革新により高分子医薬の製造法も確立され、現在の医薬品ベストセラー上位のほとんどが高分子医薬になっている。ただし、高分子医薬には弱点もあり、高分子であるため基本的に細胞内に入らない。したがって、高分子医薬の分子標的は細胞表面の受容体などに限定され、治療可能な疾患も限定的である。本研究では、ε-PαLとε-OβLの優れた細胞膜透過性を明らかにするとともに、これらを利用することで高分子医薬を細胞内分子標的にも応用できる基盤技術を構築した。
|