研究課題/領域番号 |
20H02922
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 憲典 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20312241)
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研究分担者 |
澤崎 達也 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (50314969)
宮本 皓司 帝京大学, 理工学部, 講師 (90721514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | イネ / ファイトアレキシン / 遺伝子クラスター / 転写制御 / 転写因子 / イネファイトアレキシン / モミラクトン / 生合成遺伝子遺伝子クラスター / アレロパシー / エピジェネティック制御 / ケミカルディフェンス / 生合成遺伝子クラスター / 二次代謝産物 / シス因子 / トランス因子 |
研究開始時の研究の概要 |
イネが生産する抗菌性物質モミラクトンの生合成遺伝子群は、ゲノム上で遺伝子クラスターを形成し、様々なストレスに応答して協調的に発現誘導を示す。最近、下等植物の蘚類ハイゴケでもモミラクトン生合成遺伝子がクラスターを構成することがわかった。本研究では、モミラクトン生産植物がどのように生合成遺伝子クラスターを構成し、その制御機構を発達させ利用してきたのかについて、進化過程に着目しつつその答えを探る。
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研究成果の概要 |
植物の耐病性に寄与する抗菌物質モミラクトンなどのジテルペン型ファイトアレキシン(DP)の生産制御機構について、栽培イネと野生イネのゲノム比較およびトランスクリプトーム解析から、DPF転写因子とN-boxが進化的に保存された中心的な役割を担う転写制御システムであることを示した。蘚類ハイゴケのモミラクトンB合成酵素遺伝子を特定し、染色体上で、モミラクトンA生合成遺伝子クラスターと離れて存在する様子を検出した。得られた成果は、イネ属のDP生合成遺伝子クラスター制御におけるcis-trans制御システムの進化軌跡を示すもので、ハイゴケにおける制御機構との比較においても重要な情報をとなる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物に競争力を与えるモミラクトンは重要作物の栽培イネのみならず、野生イネやイヌビエ、蘚類ハイゴケなど進化的に離れた植物種でも遺伝子クラスターと共に維持されている。本研究では、その制御機構の一端を明らかにした。得られた成果は、この遺伝子クラスターのcis-trans転写制御機構が、野生イネから栽培イネまでの進化過程で保存されたシステムあり、イネ以外の作物などにおけるモミラクトンの生物活性の利用の観点で、生産制御の面から学術的に価値があるだけでなく、将来的な環境保全型の農業の確立において、植物種を超えた転写制御システムを用いた有用形質の導入を目指す上で重要な情報を与えるものであり社会的意義をもつ。
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