研究課題/領域番号 |
20H02923
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
石原 亨 鳥取大学, 農学部, 教授 (80281103)
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研究分担者 |
手林 慎一 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 教授 (70325405)
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80378819)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | イネ / 二次代謝 / ケモダイバーシティー / ナチュラルバリエーション / ファイトアレキシン / ジテルペノイド / フラボノイド / アビエトリジン / 種内多様性 / ケモタイプ / 病害虫抵抗性 / オリザ・ルフィポゴン |
研究開始時の研究の概要 |
現代の農業では、互いによく似た性質の品種が栽培されており、病害虫発生の誘因となっている。一方で、近縁野生種や在来品種には大きな多様性が残されている。本研究では、まず、近縁野生種や在来品種がもつ新規の二次代謝産物を明らかにし、その多様性を把握する。さらに、多様性をもたらす原因遺伝子を遺伝学手法で解明するとともに、近代品種にこの形質を導入して、実際の抵抗性に及ぼす効果を検証する。これによりケモダイバーシティーを活用した病害虫に強い栽培体系の基礎を構築することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、イネのケモダイバーシティーとその分子基盤を解明し、生態学的意義について考察した。具体的な成果は以下の通りである。1)ジテルペノイド型ファイトアレキシンの組成に大きな種内多様性があることを見出した。2) 特定の品種が、芳香族ジテルペノイド、アビエトリジン類をファイトアレキシンとして蓄積することを発見した。3) 品種特異的ファイトアレキシン、オリザラクトンの生合成酵素遺伝子を同定し、その誕生と進化を解明した。4) インディカ亜種特異的フラボノイドを見いだした。5) 代謝プロファイリングに基づき、非線形次元削減法を適用することで、イネの集団構造を解析することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の知見は、ストレスに強い作物の育種や栽培体系の創出に利用できる。本研究では、新規ファイトアレキシンを多数発見した。これらを利用して特定の病原菌に強い系統を育種することが可能となった。また、異なるファイトアレキシンを蓄積する系統を一つの品種の中に混在させて栽培する、いわゆるマルチラインによる栽培を行うことも想定できる。 さらに、本研究では、新規二次代謝経路の誕生と変遷を明らかにしており、学術的にも大きな意義を有する。オリザラクトン合成酵素遺伝子KSLXは、2つの遺伝子の融合によって誕生し、さらに、平衡選択によって維持されてきたものと推定することができた。
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