研究課題/領域番号 |
20H02933
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 宜督 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (60324381)
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研究分担者 |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10330979)
佐藤 あやの 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 准教授 (40303002)
中村 俊之 岡山大学, 環境生命科学学域, 助教 (90706988)
増田 潤子 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (20424674)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 食品 / 生化学 / 代謝 / アルコール / 遺伝子 / ポリフェノール / アセトアルデヒド / イソチオシアネート |
研究開始時の研究の概要 |
フラボノイドなどの機能性食品成分の生理活性発現には生体利用性が大きく影響する。日本人の適応進化に関わる遺伝子のALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)はアルコールだけでなく、様々なアルデヒド化合物の代謝に寄与することが知られているが、機能性食品成分の生体利用性に与える影響は不明である。そこで本研究では、日本人特有の遺伝的背景であるALDH2変異が機能性食品成分の代謝・生理機能に与える影響を明らかにする。これらの研究を通して、食品機能の分子基盤を得るだけでなく、「日本人特有の代謝特性と食品機能調節」を理解し、機能性食品開発における新たな指針を提案したい。
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研究成果の概要 |
ALDHノックアウト肝細胞の作成に成功し、ALDH1A1が総細胞質ALDH活性に重要な役割を果たすことを明らかにした。抗酸化作用を示さないケルセチン配糖体腸内細菌異化物の3-ヒドロキシフェニル酢酸がAhR依存的およびNrf2非依存的に総ALDH活性を調節することにより、アセトアルデヒド誘導細胞毒性を緩和した。また、複数のケルセチン配糖体腸内細菌異化物の組み合わせが、グルタチオンに依存したALDH活性の上昇を介してアセトアルデヒドから細胞を保護した。さらに、ノックアウトマウスを用いた研究から、ALDH2の活性低下はケルセチンの小腸における代謝には大きな影響を与えないことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により明らかとなった、ケルセチン配糖体の主要な腸内細菌代謝物である3-ヒドロキシフェニル酢酸や腸内細菌代謝物の組み合わせ処理による肝細胞保護効果は、近年注目度が極めて高いポリフェノールの健康増進作用に関して、新たな科学的根拠を提供するものであり、食品成分のもつ機能性や安全性の科学的理解に大きく貢献することが期待される。また、本研究で明らかとなった腸内細菌代謝物の細胞保護作用に基づいた新規機能性食品やサプリメントの開発に貢献することが期待される。
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