研究課題/領域番号 |
20H02951
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
有村 源一郎 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 教授 (60505329)
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研究分担者 |
澤崎 達也 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (50314969)
松井 健二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90199729)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 揮発性化合物(VOC) / シロイヌナズ / 嗅覚システム / 植物の嗅覚システム / TOPLESS(TPL) / 脂質輸送タンパク質 / E3ユビキチンリガーゼJUL1 / シロイヌナズナ / 受容体 / ヒストンアセチル化 / 植物の香り(VOC) / 揮発性化学物質(VOC) / 記憶 / 害虫 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、害虫の食害に応答して放出されるVOCや恒常的に生産されるミント揮発性化学物質(VOC)が、周囲の未被害植物の防御応答を活性化する現象の実態ならびに当該現象に関わる分子システムの解明が進みつつある。しかし、VOCを取り込んだ植物体内で細胞がVOCの情報を防御遺伝子等の活性化に繋げる作用機序の大部分は不明である。本研究では「VOCが生体膜受容体に結合することで防御応答を発起する機構」「VOCが細胞内に取り込まれることで細胞内のVOC結合因子に作用する機構」「エピジェネティクスによって防御応答の記憶を制御する作用機序」に関する解析から、植物のVOC受容と記憶の分子機構を紐解く。
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研究実績の概要 |
植物から放出される揮発性化合物(VOC)は、植物がコミュニケーションを図るための重要な情報ツールである。中でも、害虫に食害された植物から放出されるVOCに曝された周囲の未被害植物は害虫に対する抵抗性を高めることができるが、植物がVOCを受容し、防御遺伝子等の活性化に繋げるための作用機序は未だ不明である。そこで本研究では、植物のVOC認識・応答およびそれに伴った防御応答を担うシグナル伝達因子を同定することで、植物間コミュニケーションを介した害虫抵抗性機構の解明を試みた。
【VOC受容を担うTPLの同定】 VOC結合タンパク質TOPLESS(TPL)遺伝子(5種)の過剰発現シロイヌナズナ株および変異株を作成し、VOCおよびハスモンヨトウ食害応答におけるTPLの機能解明のための基盤を構築した。さらに、BiacoreシステムおよびBiFCシステムを用いた分子間相互作用解析により、TPLがヒストン脱アセチル化酵素であるHDA6と結合する事実を見出した。HDA6は植物のエピジェネティック転写制御因子であることから、TPLはHDA6と共に当該制御機構に関わる可能性が示唆された。 【VOC受容を担う脂質輸送タンパク質の同定】 VOCと結合する脂質輸送タンパク質nsLTP3の嗅覚受容における機能を明らかにするために、食害およびVOC曝露によって発現が誘導されるトマトnsLTP候補遺伝子を同定した。 【E3ユビキチンリガーゼJUL1に依存した遺伝子制御機構】 食害やVOCに曝された植物は、ジャスモン酸(JA)シグナル伝達を活性化して虫害抵抗性を高める。シロイヌナズナのRING型ユビキチンリガーゼであるJUL1は、ERF15転写因子を足場として、JAシグナル伝達系抑制因子であるJAV1分解を促すモデルが提唱された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画に沿って研究は計画通りにに推進されている。今年度は、食害およびVOCに曝された植物における細胞内シグナル伝達を担う分子の同定とそれらの機能の理解において重要な進捗があった。
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今後の研究の推進方策 |
食害やVOCに曝された植物におけるTPL-HDA6システムおよびnsLTPを介したVOC輸送システムの作用機序を明らかにする。具体的には、食害・VOCに曝された野生株、TPL変異株および過剰発現組換え株の葉における遺伝子発現制御およびヒストンアセチル化レベルを解析する。さらに、nsLTPの変異株および過剰発現組換えトマト株を作出し、当該植物の食害・VOC応答能力を評価する。
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