研究課題/領域番号 |
20H02999
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大門 高明 京都大学, 農学研究科, 教授 (70451846)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 昆虫 / 変態 / ホルモン / 進化 / ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、原始的な無変態昆虫マダラシミにおいて最先端の分子遺伝学・ゲノム科学を展開し、それによって昆虫の変態の起源について、これまで到達し得なかった高いレベルで理解することを目的とする。本研究によって、昆虫の変態の共通原理と、その進化的起源が明らかとなる。本研究の成果は、現在の地球の生態系の維持に欠かせない昆虫の成功の秘訣を明らかにし、さらに、形態・飛翔・生殖・休眠・行動など、昆虫が示す多彩な生命現象の分子基盤とその進化過程の理解へと大きく発展するものと期待される。
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研究成果の概要 |
本課題では、無変態昆虫マダラシミをモデルとして昆虫の変態の進化的起源と変態の共通原理を明らかにすることを目的とした。このために、マダラシミの実験モデル化を進め、ステージング法や採卵法を確立するとともに、遺伝子発現解析、遺伝子ノックアウト解析を行い、変態「する」昆虫が共通して変態に用いる遺伝子群が変態「しない」昆虫においてどのような機能をもつのかを調査した。その結果、成虫化マスター遺伝子E93の遺伝子発現制御系の変化と機能の拡張が昆虫の変態の進化をもたらしたキーイベントである可能性が高いことを見出した。変態の進化という未解決の学術的課題の解決のための重要な足がかりを得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昆虫は熱帯から極地にわたって多様な環境に適応しており、この高い適応力の基盤となったものが「変態」の進化である。昆虫は変態することで個体発生の間にその形態や生理生態を大きく変化させる。変態は幼虫と成虫とが異なるニッチに進出することを可能にし、そして昆虫の著しい種分化と適応放散の原動力となってきた。しかし、昆虫がどのようにして変態する能力を獲得したのか?という問いは未解決のまま残されてきた。本課題では、この謎を解くための大きな手がかりを得ることができた。今後さらに研究を深めることにより、昆虫を含む節足動物全体の進化プロセスの解明や、昆虫の様々な生理学的形質の人為制御の道が拓かれるものと期待される。
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