研究課題/領域番号 |
20H03000
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伴野 豊 九州大学, 農学研究院, 教授 (50192711)
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研究分担者 |
金児 雄 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (90633610)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | カイコ / クワコ / 染色体置換 / 形質 / 比較生物学 / 家畜化 / 養蚕 / コンソミック系統 / 比較ゲノム / 染色体置換系統 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
カイコは野外には生息しない稀な家畜化された昆虫である。祖先種は野生昆虫のクワコで、日本や中国に生息する。しかし、クワコは飼育が困難で養蚕には向かない。人類はこのクワコをどのようにして家畜化してきたのであろうか。根本的には遺伝子変化に起因することは明らかであるが、大進化と呼ばれるような大きな変異が存在したのか、あるいは多数の遺伝子変異が集積した結果なのかは不明である。本研究ではこの点を追究する。
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研究成果の概要 |
育成したコンソミック系統を用い、卵、幼虫、蛹(繭)、成虫の各発育ステージでカイコとクワコの形質差に関して、可視形質レベルで比較調査を行った。卵時期においては、受精率、胚子発育に関わる遺伝子、幼虫期においては、体色に関する遺伝子、個体サイズ、発育に関与する遺伝子の所属する染色体が特定された。繭色に関しては、笹繭色の抑圧に関する遺伝子が新たに確認された。家畜化の過程で重視されたと考えられる繭重に関与する遺伝子の存在する染色体に関しても候補となる染色体が示唆された。クワコ成虫は翅を含めて全体が黒色、カイコは白色と差異が著しいが、その差に関与すると示唆される遺伝子が第23に存在することも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カイコの家畜化の謎を解明するリソースの構築とその妥当性を検証する為に本研究を計画した。長年、カイコは野生のクワコを緩やかに長い時間をかけて育種されてきたと説明されるに留まっている。先端的な機器を駆使した2種比較解析からも得られた回答は少なかった。本研究では、クワコのゲノムを染色体ごとにカイコゲノム内にパッケージングした(細分化)系統の育成を行った。可視レベルの調査でも2種を区別する遺伝子の存在する染色体を知ることが示された。クワコからカイコへの家畜化の謎解明という大きな課題の解決に貢献するバイオリソースの構築ができたと考える。
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