研究課題/領域番号 |
20H03006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡根 泉 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60260171)
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研究分担者 |
山岡 裕一 筑波大学, 生命環境系, 研究員 (00220236)
小野 義隆 茨城大学, 教育学部, 特命研究員 (90134163)
糟谷 大河 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 准教授 (90712513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | ベトナム / さび病 / サビキン / コーヒーノキ葉さび病 / 東南アジア / 生物多様性 / インベントリ― / 新産種 / 新種 / 熱帯植物 / インベントリー / Hemileia vastatrix / ハプロタイプ / ITS rDNA / MIG-seq法 / 集団遺伝学 / 遺伝的多様性 / さび病菌 / 熱帯有用植物 / アグロフォレストリー |
研究開始時の研究の概要 |
日本を含む東アジアへの新規病原菌の移入とその制御のためにも、東南アジア全体におけるサビキン相の全容を明らかにするため、また、農林業生産や森林環境の保全と再生において重要なリスクの1つである植物病原菌の発生生態の把握と正確な同定を実現するため、体系的な研究調査がほとんど行われていないベトナムにおいて、主に有用植物上でのさび病の発生調査を行い、サビキンの多様性と発生生態を明らかにし、ベトナム産サビキンインベントリーの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
コーヒーノキ葉さび病の起源と移動経路について集団遺伝学的調査を行った。ベトナムでの本病の病原菌はHemileia vastatrixであることを確認するとともに、41カ所のコーヒーノキ農園で採集した罹病葉サンプルから本菌の核リボソームDNA内部転写スペーサー領域について解析を行った結果、北西部を起源地とする南部への拡大ルートと、中央高地を起源地とする南部への拡大ルートが推定された。また、ベトナム国内で採集したサビキン標本約190点を調査した結果、30属、約70種を超えるサビキンの生息が示唆され、新種候補としてMaravalia-likeサビキンおよびベトナム新産種として17属23種を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ベトナム産さび病菌の種多様性と発生生態の解明を目的とし、有用植物を中心にさび病の発生調査および病原サビキンの標本と生物学的情報の収集と解析を行った本研究の成果は、農林業生産上の重要なリスクである植物病原菌の正確な同定と発生生態の把握につながり、持続的農林業生産や森林環境の保全と再生を行うためにも重要である。また、日本を含む東アジアへの新規病原菌としてのさび病菌の移入とその制御に備えるためにも重要である。そして、流通システムの発展の中で起こっている世界規模での植物の移動に伴うサビキンの非生息地域への拡散と異種交配による強病原性個体群の創出メカニズムの理解と解明につながるものである。
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