研究課題/領域番号 |
20H03027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
戸丸 信弘 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (50241774)
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研究分担者 |
鳥丸 猛 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (10546427)
内山 憲太郎 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40501937)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 一塩基多型 / RAD-seq / リファレンスゲノム / 遺伝的多様性 / 集団遺伝構造 / 適応的遺伝変異 / 集団動態の歴史 / 小進化 / 適応進化 / 中立進化 / 次世代シーケンサー / ドラフトゲノム / ゲノムワイド関連解析 / 表現型変異 / 候補遺伝子 / 集団構造 / 適応 / 環境勾配 |
研究開始時の研究の概要 |
最新の集団ゲノミクス研究の手法を用いることにより、集団の歴史を推定することだけでなく、これまで困難であった適応進化に関わる遺伝子を探索することも可能となった。本研究では、この手法を用いて、日本列島に広く分布し、落葉広葉樹林の優占種であるブナがどのように進化してきたかを明らかにすることを目的とする。本研究は、樹木の進化を明らかにするだけでなく、地球温暖化に対して、樹木や森林生態系をどのように保全していくのかという課題を検討するための基礎データを提供すると期待される。
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研究成果の概要 |
日本列島に広く分布し、冷温帯落葉広葉樹林の優占種であるブナを対象として、集団ゲノミクスの手法を用いて、リファレンスゲノムの作成、遺伝的多様性と集団遺伝構造の把握、集団動態の歴史推定、および適応進化に関わる遺伝子の探索を行った。種内には3つの集団系統(日本海側、太平洋北東側、太平洋南西側)による明瞭な集団遺伝構造が存在し、それは主に中立進化の帰結であると考えられる。一方、集団系統の間には気候勾配に関連した多様化選択による適応的差異が生じていることが示唆され、これは適応進化の結果である可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、森林樹木における種内の中立進化と適応進化を理解することに寄与すると考えられる。また、近年、急激な気候変動に対する生態系やそれを構成する生物の存続が危惧され、様々な生物の適応ポテンシャルを明らかにするための集団ゲノミクス研究が行われている。本研究は、現在起きている急激な気候変動に対する森林生態系と森林樹木の脆弱性とレジリエンスを評価し、それらの保全策を検討するための重要な知見を提供すると期待される。
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