研究課題/領域番号 |
20H03038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
前原 紀敏 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (20343808)
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研究分担者 |
中村 克典 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40343785)
高務 淳 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80399378)
小澤 壮太 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (10753139)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | マツノマダラカミキリ / マツノザイセンチュウ / 微生物的防除 / 昆虫病原性線虫 / 共生細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、マツ材線虫病の防除に関して殺虫剤の「予防散布」が縮小・中止されることで、防除の両輪である「予防」と「駆除」のうちの「予防」が欠け、被害拡大を完全に抑えることが困難になっている。薬剤に依存した防除法から環境への負荷の少ない防除法への転換が必要とされているが、これまでに開発された生物的防除資材は「駆除」に使うものばかりである。本研究では、昆虫病原性線虫の共生細菌を「予防散布」に用いた、マツ材線虫病の病原体マツノザイセンチュウとその媒介者マツノマダラカミキリの両方を標的とする新たな防除技術の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
化学殺虫剤の予防散布に代わるマツ材線虫病の新たな防除技術を開発するために、マツノマダラカミキリ(病原体マツノザイセンチュウの媒介者)に殺虫活性を示す昆虫病原性線虫の主要な共生細菌2種を検出し、Photorhabdus属とPseudomonas属の細菌であると同定した。この細菌2種は単独で経口感染によりマツノマダラカミキリに殺虫活性を、また共存実験によりマツノザイセンチュウに殺線虫活性を示した。このことより、この2種の細菌は、昆虫病原性線虫の共生細菌を「予防散布」に用いた、マツノザイセンチュウとマツノマダラカミキリの両方を標的とする新たな防除技術の開発に向けて、有望な防除素材になる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、昆虫病原性線虫は特異性の高い細菌1種と絶対的共生関係を持ち、その細菌単独では殺虫活性を示さないとされてきたが、今回線虫1種から主要な共生細菌を2種検出するとともに、それぞれが単独で経口感染による殺虫活性を有することを解明し、昆虫病原性線虫と共生細菌の関係における学術的な新知見を得た。また、得られた細菌2種が殺虫、殺線虫活性に加え、当初の計画にはなかった殺菌活性も併せ持つことを解明できたので、今後はマツ材線虫病の病原体とその媒介者だけでなく、それ以外の多様な生物群(昆虫・線虫・菌類)の新たな防除技術の開発にも活かしていく。
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