研究課題/領域番号 |
20H03041
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
安江 恒 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (00324236)
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研究分担者 |
香川 聡 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353635)
半 智史 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40627709)
斎藤 琢 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (50420352)
檀浦 正子 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90444570)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 炭素配分動態 / 肥大成長 / フェノロジー / 13CO2ラベリング / 生態系炭素収支モデル / 年輪 / 生態系炭素循環モデル |
研究開始時の研究の概要 |
樹木の肥大成長量や材密度の変動予測を可能とする「肥大成長モデル」の開発を行う。常緑針葉樹のスギ,落葉針葉樹のカラマツを対象とし,第一に 13CO2パルスラベリング実験により,光合成産物の肥大成長への配分過程の季節変動をあきらかにする。第二に,得られた炭素配分過程の季節変動と生態系炭素収支モデルを組み合わせ,肥大成長量や年輪構造の予測を行う「肥大成長モデル」を構築する。第三に,「肥大成長モデル」により推定された過去数十年間の年輪構造変動と実測値との比較により,モデルの実用性の検証を行う。
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研究成果の概要 |
気候変動に伴う樹木の肥大成長変動の定量的予測のため,生態系炭素収支モデルに光合成産物の樹体内配分過程を組み込むための知見を得た。カラマツおよびスギに対して13CO2パルスラベリングを行い,光合成産物が木部形成に利用されるまでの時間および貯蔵を含む経路に季節変動があることを明らかにした。加えて,光合成産物が幹木部に固定される割合は季節によって異なり,カラマツではよりその違いが大きかった。生態系モデル(BiomeBGCMuSo6.0.3)を利用して、スギ林における年間の幹バイオマス成長量の試算を行い、年輪データに基づいたバイオマス成長との比較を行った(R2=0.42)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた落葉針葉樹と常緑針葉樹における光合成産物の樹幹形成への配分に季節変動が有ることを定量的に明らかにした報告は初めてである。また,特に秋から春にかけての光合成産物が比較的長期にわたり木部形成に供給されることが木部肥大成長量に影響している可能性が示されたことから貯蔵器官(柔細胞)における貯蔵や転流機能の重要性を示唆した。さらに,これらの配分過程を定量的に炭素収支モデルに組み込む可能性を示したことで,気候変動に伴う森林の成長予測モデルの今後の高精度化ヘの寄与が期待できる。
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