研究課題/領域番号 |
20H03045
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
一瀬 博文 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00432948)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
|
キーワード | 担子菌 / セスキテルペン / シトクロムP450 / テルペノイド / 糸状菌 / セスキテルペノイド / P450 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、多種多様な担子菌類からセスキテルペン合成酵素とシトクロムP450モノオキシゲナーゼの遺伝子を獲得し、「網羅的・非合目的・非生物学的」に組合わせて酵母に異種共発現させることで、「魅力ある天然物セスキテルペノイド」の化合物ライブラリを構築する。合成酵素とP450の任意な組合わせで産出されるセスキテルペノイドは「多様・稀少・疑似天然」を特徴とする新奇な化合物ライブラリとなる。新奇多彩なセスキテルペノイドを収めたライブラリは有用生理活性の宝庫として期待され、化合物ライブラリから種々の機能性分子を発掘する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、5種類の担子菌から46種のセスキテルペン合成酵素の遺伝子をクローニングし、酵母に異種発現させることで30種の酵素機能を決定した。このうち、Pleurotus ostreatus由来セスキテルペン合成酵素が産生する新規化合物の化学構造を決定して「Pleostene」と命名した。さらに、セスキテルペン合成酵素が産生する各種化合物に変換活性を示すシトクロムP450を同定し、自然界から単離されたことのない多種多様なセスキテルペンアルコールの合成を可能にした。一部のセスキテルペンアルコールにおいては抗がん活性が見出されるなど、ユニークな生物活性の発掘に興味が持たれる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セスキテルペノイドは生物界で著しい構造多様性を示す天然物群であり、薬理活性を示す化合物も多く知られている。本研究では、担子菌に由来する様々なセスキテルペン合成酵素の機能を決定し、自然界からの獲得が困難なセスキテルペノイドの産生を可能にした。一連の研究においては新規化合物Pleosteneの発掘にも至っており、同化合物を経由して産生される各種天然物の生合成機構解明に大きく貢献する。また、セスキテルペン合成酵素とシトクロムP450を利用することで、多種多様なセスキテルペンアルコールの合成を可能にした。本研究の成果は、新たな生物活性化合物の発掘などを加速する技術基盤として活用されると期待される。
|