研究課題/領域番号 |
20H03046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堤 祐司 九州大学, 農学研究院, 教授 (30236921)
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研究分担者 |
雉子谷 佳男 宮崎大学, 農学部, 教授 (10295199)
藤田 弘毅 九州大学, 農学研究院, 助教 (90264100)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | ペルオキシダーゼ / CWPO-C / 成長制御 / 木化制御 / 木部細胞分化 / 重力応答屈性 / オーキシン / 異化反応 / 木化 / 過剰発現体 / 発現抑制体 / 発現解析 / 植物ホルモン / リグニン / 成長・分化 / 植物ホルモン代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、樹木の生長や分岐(分枝)の制御に大きな役割を持つことが初めて判明したポプラ由来の万能ペルオキシダーゼ“CWPO-C”による制御メカニズムの解明を目的としている。生長と分岐は、樹木や作物の生産性と価値に大きな影響をもつため、その作用メカニズム解明は極めて重要かつ有用である。これまでの研究成果に基づき、1.CWPO-Cはオーキシン(IAA)を酸化的に不活性化し2.CWPO-Cを介した他の植物ホルモン(サイトカイニンおよびエチレン)の異化によって、植物の生長、分岐の調節に関与する、との仮説を中軸に、CWPO-Cを介した樹木の生長、分岐制御の新奇メカニズムの解明を試みる。
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研究成果の概要 |
万能ペルオキシダーゼCWPO-Cのシロイヌナズナ過剰発現体(OE)は成長が顕著に抑制され、重力屈性反応も遅延した。OE体の内生IAAはWTの1/10に減少した。リコンビナントCWPO-Cはin vitroにおいてIAAをホルモン活性を持たない代謝物に変換した。 一方、ポプラのCWPO-C過剰発現体は成長抑制効果を示さず、内生IAA量に変化は認められなかったことから、木本と草本ではペルオキシダーゼによるIAA不活化に対する恒常性維持機能が異なると予想された。ポプラCWPO-C抑制体はリグニン含有量が減少し、β-O-4結合割合が著しく増加したことから、CWPO-Cは木化に関わることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で対象とするCWPO-Cは様々な基質を酸化可能という、ユニークな万能ペルオキシダーゼである。CWPO-Cは成長旺盛な部位に多く発現し、成長ホルモンであるIAAを代謝不活化することにより、植物の成長に対して負の制御を行うこと、ならびに木部細胞分化とリグニン形成に重要な役割を果たしていることが示された。植物に多数のペルオキシダーゼ遺伝子が存在しそれらの個々の機能は不明であったが、今回特定のペルオキシダーゼが成長および木化の制御を行う事は、ペルオキシダーゼの生理機能同定に関する新規な発見である。また、植物の成長をコントロールするツールとしてのペルオキシダーゼ遺伝子制御も期待される。
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