研究課題/領域番号 |
20H03053
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
研究代表者 |
小沼 ルミ 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 技術支援本部地域技術支援部食品技術センター, 上席研究員 (90463075)
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研究分担者 |
大村 和香子 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (00343806)
吉田 誠 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30447510)
板倉 修司 近畿大学, 農学部, 教授 (60257988)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | シロアリ / 木材腐朽菌 / MVOC / 生物間相互作用 / イエシロアリ / 嗅覚受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
木材の2大生物劣化原因である「木材腐朽菌」による腐朽と「シロアリ」による食害は複合的に発生する場合が多くみられるため、以前から「木材腐朽菌がシロアリを誘引しているのではないか。」と問われてきた。申請者らは、これまでの研究で木材腐朽菌が放散する匂い(MVOC)の中からイエシロアリ誘引成分を見出した。そこで本研究では、イエシロアリのゲノム探索によりすべての嗅覚受容体遺伝子を見出し、その中からイエシロアリ誘引性のMVOCに対応する嗅覚受容体をレセプターアッセイおよびジーンターゲティングにより特定することで、その誘引物質の認識メカニズムを解明し、「木材腐朽菌がシロアリを呼ぶ」という仮説を立証する。
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研究成果の概要 |
木材の2大生物劣化原因である「木材腐朽菌」と「シロアリ」は、しばしば木材中で両者が共存する場合が多くみられるため、「木材腐朽菌がシロアリを誘引しているのではないか」といった仮説が長らく提案されてきた。そこで本研究では、イエシロアリのゲノム情報を利用して、イエシロアリ誘引性のMVOCに対応する嗅覚受容体を見出すことで、その誘引物質の認識メカニズムを解明し、「木材腐朽菌がシロアリを呼ぶ」という仮説を立証することを目指した。その結果、腐朽菌の生産するMVOCに関する詳細な情報とともに、シロアリの嗅覚受容体に関する情報を得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シロアリと木材腐朽菌は木材の二大生物劣化原因であり、それにより引き起こされる木材劣化被害は甚大である。多くの場合、これらの劣化はそれぞれ別々のものとして議論されてきたが、その一方で、腐朽材にはシロアリが存在することも多く、それらがお互いに関連しているとも考えられている。本課題において、腐朽菌とシロアリ両者の関連性を明らかにするためのいくつかの基盤情報が得られたことは、両者の間の生態学的な観点への貢献のみならず、材の劣化防止策を考える上での新しいターゲットを提案するものでもある。
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