研究課題/領域番号 |
20H03057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 惇也 東京大学, 大気海洋研究所, 講師 (30762554)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | カイアシ類 / ウイルス / 共生ー寄生 / 個体群動態 / 遺伝子発現 / 動物プランクトン / 共生寄生 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋に存在する膨大な数のウイルスは時に水産重要魚種の種苗生産における大量致死の一因となり、人間活動にも大きく関わる。しかし、魚類等の餌として知られる動物プランクトンに感染するウイルスの生態学的意義は明らかにされていない。本研究は新規的な分子生物学的手法を駆使し、ウイルスが動物プランクトンを介してどのように海洋生態系に影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
海洋動物プランクトンへのウイルス感染の報告事例は極めて少なく、その生態学意義は謎に包まれている。そこで本研究は北海道紋別市オホーツクタワーにおいて毎週採集を行い、主要カイアシ類Pseudocalanus newmaniとウイルスの関係性を調査した。トランスクリプトーム解析を行ったところ、主要4種の新規ウイルスが検出された。各ウイルスはそれぞれ異なる季節性を示し、主にカイアシ類の個体数が減少する時期に検出された。また、発現解析により、特定のウイルスの存在下でカイアシ類の生理状態が大きく変化した。これらの結果からウイルスは動物プランクトンの個体群動態や生理状態に関わる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は海洋におけるウイルスと動物プランクトンの関係性の詳細を調べた初の研究である。複数の解析により主要動物プランクトンであるカイアシ類から新規ウイルスが検出され、動物プランクトンの生態に関わる可能性も示され、得られた結果は学術的に非常に価値が高い。動物プランクトンは海洋の低次から高次生態系をつなぐ重要な役割を果たしており、動物プランクトンの個体群動態の理解は水産重要種の資源量変動とも密接に関わっている。本研究で得られた成果がさらに発展することで、動物プランクトンの個体数変動の理解がさらに進み、将来的には資源量変動を含めた海洋生態系の理解にも貢献可能になると期待される。
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