研究課題/領域番号 |
20H03065
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
關野 正志 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), グループ長 (90371799)
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研究分担者 |
山本 佑樹 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (10881980)
横内 一樹 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (50723839)
中道 礼一郎 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (70401255)
白井 厚太朗 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70463908)
中村 洋路 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (90463182)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 自然選択 / 一塩基多型 / 集団ゲノミクス / 集団遺伝学 / 分子生態学 |
研究開始時の研究の概要 |
ニホンウナギは、河川などの淡水域で成長して海域で産卵する、いわゆる降河回遊性の通し回遊魚と言われてきたが、シラスウナギとして沿岸に来遊し、そのまま河口・内湾に定着する個体(便宜上海ウナギと呼ぶ)と、河川に遡上して定着する個体(川ウナギ)が存在することが明らかになっている。このように大きく異なる環境を成育場として選ぶ生活史多型のメカニズムは分かっていない。そこで本研究では、海ウナギと川ウナギグループ間で一塩基多型マーカーを使った集団ゲノム解析を行い、各グループを特徴づける変異が存在する遺伝子を同定することにより、海と河川という成育場の選択が遺伝的に裏打ちされた自然選択の結果であるかを検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では,ニホンウナギの海ウナギと川ウナギというエコタイプについて,一塩基多型(SNP)マーカーによる集団ゲノム解析を行い,各エコタイプを特徴づける変異が存在するゲノム領域(遺伝子)の有無を明らかにすることを目的とした.両エコタイプを識別する上で重要度の高い1マーカーは,ナトリウム機械受容チャンネルの制御に関与する遺伝子および細胞内外間イオン輸送に関与する遺伝子など,浸透圧調整に関連する可能性がある遺伝子の近隣に位置していた.海水適応(塩分濃度適応)に関与する遺伝子の違いが,海ウナギと川ウナギというエコタイプを分ける要因の一つであるのかもしれない.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から,海域環境下の生存に適した遺伝子型を持つ個体が存在することが示唆された.こうした知見は,資源回復のための成育場保全策を考える上で重要である.さらに本種では,偶発的に来遊した東アジアの河川上流から内湾までの様々な水系に対する環境適応が,生活史戦略の根幹をなしている可能性がある.従って得られる成果は,海域と河川それぞれに適応的な遺伝子資源を保全し,本種の環境適応ポテンシャルの損失を防ぐことの必要性を示す根拠になる.
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