研究課題/領域番号 |
20H03069
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
伊藤 克敏 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(廿日市), 主任研究員 (80450782)
|
研究分担者 |
中村 龍平 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (10447419)
羽野 健志 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(廿日市), 主任研究員 (30621057)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 環境電位 / 底質汚染 / 電位操作 / 硫化物量 / 底生動物 / マダイ / 底質毒性試験 / メタボローム解析 / 電気化学的手法 / 養殖環境 / 底質改善 / クルマエビ / 毒性試験 / 底質浄化 / 電気化学 |
研究開始時の研究の概要 |
養殖場では汚染物質の多くが底泥に蓄積し、底質汚染を起因とした養殖場全体の環境汚染が、養殖の生産性を下げることが指摘されている。しかしながら、因果関係の詳細は明らかにされていない。そこで、養殖環境問題の抜本的な解決に向け、「底質汚染」に着目し養殖魚への汚染底質の『影響評価』、養殖環境の『健全性の診断』、そして『改善』までパッケージ化した革新的な技術開発を提案する。具体的には、底質を用いたメタボローム解析という、養殖現場には馴染みのなかった先端技術を導入し、養殖場の環境を診断する。さらに、電気化学的手法を用いて、汚染化学物質の積極的な改善を実施し、持続可能な環境調和型養殖技術の開発に挑む。
|
研究実績の概要 |
酸揮発性硫化物量(AVS)を基準とした3段階(AVS:試験区1:0.04 mg/g、試験区2:0.24 mg/g、試験区3:1.21 mg/g)の底質を用いてマダイの底質曝露試験を実施した。なお試験方法は令和2年度に実施したクルマエビ底質毒性試験を参考にした。その結果、試験区3では13日後に、試験区2では20日後に7匹全て死亡した。試験区1は、20日後に7匹中1匹死亡したが、残りの6匹は28日間生残した。この結果から、底質汚染はマダイの生残に重大な影響を及ぼすことが改めて立証された。また、底質AVSは、マダイを収容している全ての試験区に比べ、マダイを収容していないコントロール区で有意に高い値を示した。この結果は、昨年度実施したクルマエビの結果と同様であった。電位操作による毒性試験を実施するため、電位を-300mV、+300mVに設定し、マダイを飼育した。その結果、電位操作の影響は認められなかった。なお、得られた成果は、2021年秋の水産学会で発表した(コロナ感染拡大のため要旨のみ)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度も令和2年度と同様にコロナ禍の状況のもと、出張の制限など様々な制約の中、課題を実施した。研究打ち合わせ等、web上で対応できる事柄については、柔軟に対応し、試験をほぼ予定通り実施することができた。また、学会等で成果を公表出来たことから、自己評価を【(2)おおむね順調に進展している。】とした。
|
今後の研究の推進方策 |
マダイ・クルマエビ毒性試験の結果をより詳細に検討するとともに、電位操作可能な実験系を用いて毒性試験を実施する予定である。
|