研究課題/領域番号 |
20H03074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
北村 真一 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (40448379)
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研究分担者 |
広瀬 裕一 琉球大学, 理学部, 教授 (30241772)
柳田 哲矢 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (40431837)
仲山 慶 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 講師 (80380286)
飯田 貴次 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (70159557)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | マボヤ / 被嚢軟化症 / Azumiobodo hoyamushi / プロテオーム解析 / 軟化機構 / マボヤ被嚢軟化症 / Halocynthia roretzi / 被嚢タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
マボヤ被嚢軟化症は、病原鞭毛虫Azumiobodo hoyamushi(ホヤムシ)によって引き起こされる寄生虫病である。これまで、本症の最大の特徴である被嚢の軟化機構は解明されていない。我々の研究グループは、被嚢の主成分はセルロースであることから、それが分解されて軟化が起こると考え研究を行ったが、軟化個体のセルロースは分解していないことが分かった。そこで本課題では、セルロースではなく、被嚢繊維の立体構造を安定化している未知タンパク質に注目し、それがホヤムシの分泌性プロテアーゼによって分解されることで軟化が起こると仮説を立て、軟化の分子機序を解明する。
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研究実績の概要 |
我々はマボヤ被嚢軟化症の被嚢軟化機構に注目し、研究を進めている。これまでの研究結果から、軟化個体において、被嚢の主成分であるセルロースは分解されていないことが分かった。本課題では、Azumiobodo hoyamushi(ホヤムシ)が分泌するプロテアーゼが被嚢中のタンパク質を分解することで構造が崩壊すると仮説を立て、それを検証する。個別の目的としては、被嚢のプロテオーム解析を行い、軟化に伴って減少するタンパク質を探索する。それを大量発現し、抗体を作製する。作製した抗体を用いて、健常個体と軟化個体の被嚢を免疫染色することで、そのタンパク質が軟化に関わっているかを確認する。一方、ホヤムシのプロテアーゼに関しては、分泌性プロテアーゼが含まれる培養液を用いて、人工ペプチド基質の分解アッセイを行い、そのプロファイルから病原性因子を推測し、それを大量発現する。最終的には、in vitroで被嚢切片または大量発現した被嚢タンパク質に合成プロテアーゼを作用させることで、軟化を再現する。 昨年度、2-D Fluorescence Difference Gel Electrophoresisおよびショットガン解析によって、軟化に伴い減少するタンパク質の検出には成功したものの、ターゲットタンパク質を絞り込むことができなかった。そこで、本年度は、これまでとは手法を変え、病理組織切片を作製し、肉眼で軟化している部分を確認し、レーザーマイクロダイセクション法にて、サンプル回収した。本サンプルをショットガン解析し、軟化に伴って減少する被嚢タンパク質を網羅的に解析し、減少するタンパク質を4つに絞り込んだ。ホヤムシのプロテアーゼに関しては、20個の人工合成基質を用いて、本虫が分泌するプロテアーゼのプロファイルを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のようにプロテオーム解析によってターゲットタンパク質の絞り込みに時間を要しているため、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
前述のように、プロテオーム解析から明確なターゲットタンパク質の決定に時間を要したため、予定にこだわることなく、実施可能な実験から適宜行う。特に、研究室で実施可能な、無細胞タンパク質発現系でタンパク質の発現をメインに進める。具体的には、選定された4つのターゲットタンパク質を無細胞タンパク質系で大量発現する。発現に成功したタンパク質に関しては、随時マウスで抗血清を作製する。また、ホヤムシのプロテアーゼに関しても、同時に大量発現を試みる。さらに、昨年度、愛媛大学において感染実験設備を導入したことから、軟化個体を作製し、免疫染色用に固定する。
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