研究課題/領域番号 |
20H03082
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柏木 健一 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00447236)
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研究分担者 |
氏家 清和 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30401714)
上山 一 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (80626226)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 産業育成 / ミクロ分析 / 生産性分析 / 生産者行動分析 / 消費者行動分析 / 産業発展 / 産地育成 / バリューチェーン分析 / ミクロ調査分析 / オリーブ産業 / ミクロ経済分析 |
研究開始時の研究の概要 |
中東・北アフリカの食品産業の代表であるオリーブ産業を例に、同諸国3国・地域のオリーブ産地を比較し、産地形成段階に差異(始発期→量的拡大期→質的向上期)が生じる要因を特定する。パレスチナ産地は始発期、ヨルダン産地は量的拡大期、チュニジア産地は質的拡大期にあると想定し、農家や食品加工業、流通業の企業連携や垂直統合によるサプライチェーンの強化、すなわち、革新的バリューチェーン構築が精油工場の生産性向上と技術革新誘発に及ぼす影響をパネルデータ収集によって実証的に分析し、産地が育成されるメカニズムを解明する。これにより、途上国の中小・零細企業にとって普遍的課題である脱植民型産地発展モデル構築に貢献する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、新型コロナウイルス拡大で延期していたパレスチナのオリーブ農家のミクロ調査を実施することができた。食薬バリューチェーン上流の研究に関し、ヨルダン川西岸地区サルフィート県のオリーブ農家調査を実施し、農家属性、生産と投入、マーケティング、新技術導入について家計データを収集した。特に、オリーブ生産の隔年結果の現象に着目し、収量が変動する要因として、個々のオリーブ農家において、剪定作業の導入、堆肥・有機肥料等の利用、農業改良普及員による指導などを想定し、かかる特徴を調査の明示的に組み込んだ。また、現地パレスチナ統計局より、農業センサスのミクロデータを入手した。センサスデータを用いて、イスラエル入植地や分離壁が農家の技術導入(改良品種、有機肥料等の使用)に与える影響を分析した。加えて、パレスチナやチュニジアを含む地中海圏のオリーブ生産データと降水量、気温等の気象データを収集し、気象要因をコントルールした上で、地理的近接性がオリーブの収量に与える影響を分析した。ヨルダン北部イルビッド県においてオリーブ農家を訪問し、ミクロ調査の準備を行った。他方で、バリューチェーン下流の研究に関し、オリーブオイルに対する消費者行動に関するデータを収集し、オリーブオイルの地理的表示、有機認証などが消費者の選好に及ぼす影響を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症による影響で調査を延期していたが、令和4年度にヨルダン川西岸地区北部において、オリーブ生産者のミクロ調査を実施し、新たなオリーブ生産者データを収集することができた。また、川下のオリーブ消費者行動調査・分析を引き続き実施することで、研究計画を前進させることができた。これにより、令和2年度はやや遅れている状況から、おおむね順調に進展に移行できた。
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今後の研究の推進方策 |
ヨルダン王国におけるオリーブ調査が未実施であるが、令和4年度にカウンターパートと調査計画を練ることができた。これを踏まえ、令和5年度に、ヨルダン王国北部イルビッド県(ヨルダン川東岸地区)におけるオリーブ農家調査を実施する目途が立った。
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