研究課題/領域番号 |
20H03085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
牧田 りえ 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (20585450)
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研究分担者 |
坂田 裕輔 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (50315389)
山尾 政博 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 名誉教授 (70201829)
箕曲 在弘 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70648659)
畑山 要介 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (70706655)
池上 甲一 近畿大学, その他部局等, 名誉教授 (90176082)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | オルタナティブ・フード運動 / フェアトレード / 食料主権 / 地産地消 / アグロエコロジー / 有機農業 / ローカルフード / 倫理的食農システム / ローカルフード運動 / 南北問題 |
研究開始時の研究の概要 |
より公正で環境にやさしく安全なフード・システムの構築を目指すグローバルな社会運動はオルタナティブ・フード運動と総称される一方で、異なる特徴を持つ複数の運動として展開されている。運動全体の調和的発展のために、本研究では、オルタナティブ・フード運動におけるフェアトレードの位置づけを明確にし、「南」の生産者と「北」の消費者をつなぐフェアトレードが、北の消費者運動として始まったローカルフード、及び南の農民運動として始まった食料主権といかに共存していくことが可能かを検討する。
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研究実績の概要 |
本科研プロジェクトの開始と同時にコロナ禍に突入したため、予定していた計画のキャンセルまたは延期が繰り返された。三年目も前半は①文献サーベイに基づく研究、②オンライン研究会の開催が活動の中心となった。 ①については、オルタナティブ・フード運動の代表格である、有機運動とローカル・フード運動の接点に着目した点に独自性があると評価され、サーベイ論文ながら国際ジャーナルに掲載されるに至った。依頼原稿の刊行を行なったメンバーもいる。 ②については、引き続き国際開発学会「倫理的食農システムと農村発展」研究部会との共催という形で、計7回実施した。テーマには、アグロエコロジー、CSA(コミュニティ支援型農業)、スローフード運動を取り上げ、オルタナティブ・フード運動の新たな領域に踏み込むとともに、実務者との対話に力を入れた。 三年目の後半に入り、②オンライン研究会の一つの成果を発表する場として、第33回国際開発学会全国大会(会場・明治大学)において、ラウンドテーブル「倫理理的食農システムの構築に向けて: アグロエコロジーの観点から」を設けた。メンバーの池上が座長を務め、発表者4名のうちの2名として代表の牧田、メンバーの坂田が発表を行なった(各々の発表内容は以下の実績詳細を参照のこと)。国内事例を担当するメンバーの山尾も、広島県周辺に焦点を当て、「大きく変わる広島圏フードシステム―安全・安心な食の提供をめざす農業生産の現場からー」と題した研究集会を、JA全農広島、大学生協中国・四国連合等から実務家のスピーカーを招へいして開催した。 また、ようやく一部のメンバーは国内外の現地調査を実施することがかなった。代表は、ネパールのコミュニティ森林から採集される天然植物へのフェアトレード認証の適用について検討すべく、二度の現地調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で国内外の現地調査が実施できない期間が長く続き、計画を全体的に後ろにずらすこととなったため。
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今後の研究の推進方策 |
当初は早い段階で実施予定だった国内外の現地調査が実施できない時期が長く続いたが、すべてのサブ・プロジェクトにおいてようやく着手できる見込みである。すでに現地調査を開始したサブ・プロジェクトについては、補足情報収集を行ないつつ、論文執筆に取り組む。 二年目に、オルタナティブ・フード運動の国内の実践例として愛媛県今治市の「食と農のまちづくり」の事例考察を進めており、本科研メンバー及び国際開発学会・倫理的食農システムと農村発展研究部会の有志が現地訪問を予定していたが、コロナ感染者数の再増加のために中止になった経緯があった。コロナの五類への移行を鑑み、再び現地訪問の計画を実施すべく準備作業に入った。全メンバー共通の研究課題として、現地調査に基づく同事例研究を実施する。 全国から参加者を得るようになったオンライン研究会については、国内の実践事例をより多く収集し、現地調査の可能性を探っていくこと(一候補として、千葉県いすみ市)、及びオルタナティブ・フード運動の多様性を把握することを目的とし、開催を継続する。
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