研究課題/領域番号 |
20H03089
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木南 章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00186305)
|
研究分担者 |
木南 莉莉 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40272132)
古澤 慎一 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40588315)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 起業家精神 / 農業農村 / パネルデータ分析 / TEM分析 / 新規開業 / 事業多角化 / 農業・農村 / 農業 / 農村 |
研究開始時の研究の概要 |
起業家精神は、農業農村の持続的発展を促進する重要な要因であるが、関係する要素が複雑で直接把握することが困難であるとともに動態的に変化する特性があるため、その実態解明は不十分であった。本研究は、定性的分析と定量的分析の方法を融合した新たな分析方法を用いて、農業農村における起業家精神の構造と発現プロセスを解明し、農業経営および農村振興の発展に資する理論と戦略を構築することを目的とする。具体的には「農業農村における起業家精神の定量的解明」、「農業農村における起業家精神の発現プロセスの解明」、「農業農村における起業家精神の総合分析」の3つを課題の解明を行う。
|
研究実績の概要 |
1.農業における新規開業や事業の多角化を決定する要因について、産業全体との比較を通じて分析を行った。まず、全国各都道府県の農業における新規開業率と事業多角化率を説明するために、2点パネルデータを用いた固定効果モデル分析を実施した。第二に、固定効果の測定を通じて間接的に起業家精神を特定した。第三に、経済社会統計や起業家意識に関するアンケート調査の結果に基づいて、地域レベルでの農業起業家精神に影響を与える要因を調査した。最後に、農業全体と比較した上記の分析結果に基づいて、農業における起業家精神の促進に貢献する政策的含意を導き出した。 2.起業家精神を発揮している農業経営を各種事例集から選定し、事業構造の経営分析を行った。等至点、分岐点、社会的方向づけ、社会的助勢を発見し、事業創造を実現するプロセスをTEM図として表現し、起業家精神の醸成プロセスを明らかにした。 3.農業農村における起業家精神の実態を把握するために、農業経営者を対象とする大規模なアンケート調査を実施した。調査内容は、GEMの分析枠組みと調査票を基礎とし、起業家精神の発揮に関する意識、態度、活動の実態に関するものとした。また、社会的価値をあげながら、経済価値を実現するCSV(共有価値創造)戦略を成功させる要因を特定する分析手法を考案し、多項ロジット分析および構造方程式モデリングによる接近を行った。調査結果および、これまでの研究成果、定量分析と定性分析の成果を総合し、農業農村における起業家精神の構造と発現プロセスを解明し、経済価値と社会価値を両立する経営戦略の成立要因を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、実態調査の制約があったものの、データ分析による代替的アプローチで課題に接近するとともに、予定していた計量分析と事例分析を遂行することができ、研究成果の発表も行うことができている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画全体を構成する、それぞれの研究部分を総合することに重点を置き、そのとりまとめ成果を関係学会において発表、討議を重ね、研究を完成することに重点を置く。
|