研究課題/領域番号 |
20H03096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
窪田 恵一 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (50707510)
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研究分担者 |
見島 伊織 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 専門研究員 (00411231)
渡邉 智秀 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (60251120)
珠坪 一晃 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 副領域長 (80293257)
松浦 哲久 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90771585)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 堆積物微生物燃料電池 / 底質改善 / 放射光分析 / 微生物菌相解析 / 鉄形態分析 / 微小電極 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、底質改善技術である堆積物微生物燃料電池の最大活用を目的として、その底質内部での影響範囲の把握やメカニズム解明を行うとともに、装置のスケールアップや異なる汚染状況への適用を試みる。堆積物微生物燃料電池を汚染が進む底質へと適用することによって、浄化に伴う発電のみならず、窒素やリンの再溶出、硫化水素生成抑制等の効果も得られることが知られているが、そのメカニズムや効果的な利用方法は確立されていない。本研究では、栄養塩であるリン・窒素やそれらの溶出に深く関連する鉄の底質内部での変化の解明により、本技術の効果的活用に向けたスケールアップ・技術確立に向けた展開を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は、生物電気科学技術による新規の底質改善環境技術の確立に向けて、堆積物微生物燃料電池による底質改善メカニズムの解明とともに底質性状の違いによる性能への影響などの検討を行った。結果として、生物電気化学技術による底質改善では、底質に存在する鉄が酸化的な形態に変化するといった無機的な変化が生じることで、栄養塩類の溶出抑制が生じている可能性が示唆された。また、堆積物微生物燃料電池の性能は底質性状に大きく左右され、特に汚濁が進んでいる底質ではアノード周辺で発電微生物の存在割合が大きく増加しており電極表面での電子授受が活発化することで底質改善効果が発揮されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、堆積物微生物燃料電池の適用によって、有機体窒素の分解とともにアンモニアの酸化が生じることで底質内の窒素除去が促進されることや底質内の鉄形態の変化など底質内部で生じる詳細を明らかにし、実環境での実証も行った。これらの知見は堆積物微生物燃料電池ひいては生物電気科学技術の底質改善技術としての利用の実現性を示したことに社会的意義がある。また、本研究は底質のような湿潤系の環境サンプルに対して透過法での放射光分析を適用した。これは放射光分析の適用範囲拡大に寄与する学術的意義も有する。
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