研究課題/領域番号 |
20H03114
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
森 智夫 静岡大学, 農学部, 准教授 (80536516)
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研究分担者 |
鈴木 智大 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (10649601)
河岸 洋和 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (70183283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 白色腐朽菌 / 複合微生物系 / 微生物間相互作用 / リグニン分解 / 木材腐朽 / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
リグニンは、木材の主要成分であり、生物的・産業的に価値の高い多糖類を保護している。白色腐朽菌はリグニンを分解するユニークな微生物であるが、自然界では白色腐朽菌は周辺微生物の影響を受けながらリグニン生分解を行っていると推測されるが、白色腐朽菌と細菌がどの様に相互作用し、リグニン分解を行っているかについては未解明である。本研究では、白色腐朽菌単独培養よりも高いリグニン分解活性を示す白色腐朽菌-細菌モデル複合微生物系を用いて、細菌叢により補填される白色腐朽菌機能解明、補填された機能の発現メカニズム解析に取り組み、最終的に白色腐朽菌-細菌間相互作用による高リグニン分解活性発現機構の解明を行う。
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研究成果の概要 |
白色腐朽菌床に自然界由来細菌を混入させた複合微生物系を作成し、優れたリグニン分解特性を維持可能な継代培養法を開発した。本モデル複合微生物系の菌叢構造を元にリグニン分解に関連する細菌代謝系を予測し、ナフトキノン誘導体などの酸化ストレス物質が、白色腐朽菌の生育を阻害することで多糖の消費を抑え、同時にリグニン分解酵素を誘導することで、複合微生物系が高いリグニン分解選択性を示すと予測した。更に、複合微生物系のリグニン分解酵素活性と細菌叢を元に冗長性解析により、リグニン分解酵素を誘導する細菌の特定を試み、いくつかの候補細菌の選抜に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白色腐朽菌はリグニンを分解し、しばしばセルロース等多糖成分に富んだ腐朽残渣を生じるため、低環境負荷型脱リグニンツールとしてバイオマス利用分野への応用が期待されているが、その活性は実用レベルではない。白色腐朽菌の木材腐朽特性を改善・制御する細菌との相互作用機構を明らかにしていくことで、試薬や遺伝子組換えに頼らない細菌との相互作用を利用した白色腐朽菌機能の制御技術が提案可能となる。本研究成果は、資源循環型社会構築に寄与しうる、新たな微生物活用技術開発に向けた第一歩となる。
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